2位・G大阪との勝点差を『3』に詰めた名古屋。しかし、消化試合数にばらつきがあり油断はできない状況。今節も勝って他チームの動向を見守りたいところであり、逆に勝てなければ前節の上位対決で勝ち切った意味がなくなってしまう。
FC東京戦での名古屋は、FWの金崎 夢生と山﨑 凌吾の2人を負傷で欠く中、代わりにFWに入ったガブリエル シャビエルと阿部 浩之を中心に、ポストプレーではなくスピード重視のサッカーを展開した。ほかに選択肢はなかったとはいえ、この策が見事にハマり、FC東京を圧倒。特に前半は相手のシュートを1本に抑える一方的な展開だった。
それができたのはシステム上の問題もあるが、素早い攻守の切り替えとセカンドボールへの反応で優位に立っていたことが大きい。さらに攻撃にアクセントを加えられるガブリエル シャビエルと阿部が、交互に中盤に下りてきてはボールを触ってリズムを作り出し、最近では見られなかった攻撃への躍動感を生み出した。
一方で、課題はビッグチャンスを決め切れなかったこと。引き分けかと思われた後半アディショナルタイムに、マテウスが個人技から放ったシュートが相手の手に当たりPKを獲得。そのPKをマテウス自身がきっちりと決めて1-0で勝利を収めたが、それ以前のチャンスで決めていればもっとラクな展開で進めることもできた。名古屋流のゼロトップシステムの手ごたえを感じられたのは確かだが、その真価を見極めるのは今節の戦いぶりを見てからだろう。
対する湘南は、いま最も好調なチームだ。3連勝中で6試合負けなし。J1通算150勝まであと1つとなっている。
前節は神戸との対戦。前半は神戸ペースで試合が進んだものの、相手のシュートはGK谷 晃生が素晴らしい反応を見せてゴールにカギをかけると、後半も両チームのGKがファインセーブを連発し、引き締まったゲームになった。
その中で78分、湘南はその谷からボールを細かくつなぎ、最後はキャプテンの岡本 拓也がペナルティーエリア手前から右足を振り抜いて、ゴールネットに突き刺した。追加点は84分、右サイドでボールを奪った齊藤 未月が、GKが前目のポジションを取っていたことを確認し、およそ50メートルのロングシュートを決めた。
このスーパーゴールに象徴されるように、湘南に勢いがあるのは間違いない。だが神戸に多くのチャンスを作られていたことも事実であり、今節は名古屋を相手にどうプレスを掛けて守るのかがポイントになりそう。8月19日に行われた前回対戦では、後半アディショナルタイムにオウンゴールを献上し敗れている。その悔しさを晴らすためにも、全員で走り、攻め切る湘南のスタイルを来季につなぎたい。そのためにもアウェイで4連勝をつかみ取って節目の勝利を祝えるか。
[ 文:斎藤 孝一 ]
