23勝3分2敗、得失点50という強さは誰もが認めざるを得ないところだが、大分としては、誇れるホームスタジアムで他クラブの胴上げを見せつけられるのは屈辱的な事案。キャプテンの鈴木 義宜も「川崎Fさんとしてもホームで優勝を決めたほうが良いんじゃないですか」と冗談まじりに自分たちの勝利を期す。ただ、仮に川崎Fが大分戦で引き分け以下になったとしても、翌22日開催の浦和対G大阪で、2位のG大阪が引き分け以下なら優勝は決定。どうせなら、たとえ敵地であっても試合に勝利してスタジアムで喜び合いたいはずで、アウェイチームが高いモチベーションで乗り込んでくることは間違いない。
横浜FM戦から中2日の川崎Fとは対照的に、大分は前節・柏戦が柏でのクラスター発生に伴い急きょ延期されたことで、前々節の横浜FC戦から中17日というイレギュラーな日程となった。2点のビハインドから逆転勝利した前々節の勢いがこれで削がれてしまったのか、シーズン終盤に向けて十分な準備期間を得たと言えるのかが問われる一戦となる。16日に報道陣に公開されたトレーニングでは、連戦の疲労から心身のコンディションを回復した選手たちが戦術の細部を確認し合う姿が見られた。チーム戦術をバージョンアップしながら徐々に試合内容を向上させてきた中で、ここ数試合でチームへのフィット感をぐっと増している知念 慶が、今節は契約の関係で出場できない。一方で、負傷者が続出していたボランチは、前田 凌佑や小林 裕紀が全体練習に合流してコンディションを上げている。本職のCBからコンバートされた羽田 健人も、最近では攻撃面でも存在感を発揮するようになってきた。
大分としては得意の幅を使った攻撃で川崎Fの守備に揺さぶりをかけたいところで、川崎Fの堅守の要・ジェジエウの累積警告による出場停止がどう影響するか。逆に守備では、ハイポテンシャルな個々の戦力が組織の中で力を発揮する川崎Fの攻撃を、いかにしのぐかが課題となる。第26節は札幌に0-2で敗れ、第27節は鹿島と1-1のドローと、先日の横浜FM戦も序盤から相手のプレッシングの前に本来のスタイルをなかなか表現できなかった川崎Fだが、ルーキーの三笘 薫や旗手 怜央が躍動し、長谷川 竜也や小林 悠らも復帰。また、横浜FM戦を回避した家長 昭博が万全のコンディションで出場する可能性も高く、個性豊かなタレントたちへの対応は簡単ではない。三笘や旗手と大学時代からしのぎを削った羽田も、このルーキー対決に「負けられない」と意気込む。
川崎Fが、試合後の昭和電工ドーム大分で歓喜に沸くのか。また、19日に片野坂 知宏監督の来季続投が発表された大分が、指揮6シーズン目に向け好ゲームを展開するのか。苦しい日程で戦ってきた2020年シーズンが、いよいよ佳境を迎えている。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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