大分は現在、29試合を消化して10勝7分12敗の勝点37で11位。夏頃には失点がかさみ5連敗を喫するなど苦しい時期もあったが、試合を重ねるごとに今季の戦術が浸透したりブラッシュアップされたりして、9月以降は攻守に狙いの見える好ゲームを続けている。第28節にはリーグ優勝に王手をかけていた川崎Fを足踏みさせ、そこからスタートした上位陣との3連戦では、持ち前の組織的サッカーを披露。タレント揃いの強豪に引けをとらない戦いを演じて勝点4を積み上げた。その手ごたえを結果につなげ、ここから1つでも上の順位を目指してラストスパートをかけたい。
だが、このタフなシーズンの最後に、予期しなかった心臓破りの坂が現れた。11月14日に行われる予定だった第27節の柏戦がコロナ禍の影響で12月9日に日程変更となったため、ここに来て5連戦をこなさなくてはならなくなったのだ。試合間隔も中2日が3回で、アウェイゲームのうち2戦は19時キックオフという厳しいスケジュール。12月のナイトゲームにしても未体験ゾーンで、「選手がどのような状態になるか予想ができない」と片野坂 知宏監督は緊張の面持ちを見せる。負傷者が出れば今季ばかりでなく、来季にまで影響を及ぼしかねない。順位の近い相手も多く、難しい5連戦になりそうだが、それでもチームはこれまでと同様に、目の前の一戦一戦に集中するのみ。まずはその5連戦の初戦となる今節の仙台戦に全力を尽くす。
一方、はるばる敵地へと乗り込んでくる仙台は、現在、31試合を終えて4勝9分18敗の勝点21で18位。今季から木山 隆之監督が指揮を執るようになった中、コロナ禍で新体制での戦術浸透が遅れ、長らく苦しい時期を過ごしてきたが、ようやくシーズン終盤に差しかかり、結果が出始めた。システムを[4-4-2]から[4-3-3]へと変更し、戦力も若干入れ替えて戦った第27節のG大阪戦に、4-0で大勝。未勝利記録を『17』でストップすると、浮上への期待を感じさせた。
大分の片野坂監督はそんな仙台について「中盤の人数を増やして守備を堅くしながら攻撃で上回ってボールを運び、構築している。木山監督が目指すサッカーが具体的になってきたのかなと思う」と分析。イサック クエンカがフィットしていることや、片野坂監督もG大阪でともに戦ったことのある長沢 駿の得点量産を警戒した。
第16節の前回対戦では3-0でアウェイチームの大分が勝利しているが、その試合も後半は仙台の修正に遭い、苦戦を強いられた。もとよりポテンシャルの高いプレーヤーも擁しており、いまだ最下位に沈んでいるとはいえ、決して侮れない相手だ。
仙台としてはここで11位の大分に勝利して、17位・清水、16位・湘南との下位対決に勢いをつけたい一戦。大分にとっては残り2試合となったホームゲームで、冷え込み厳しいスタジアムに駆けつけるサポーターたちとともに喜びを分かち合いたい。それぞれの思惑を交錯させて、14時、初冬の熱い試合がスタートする。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]
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