過去2年は残留争いに巻き込まれたものの、今季は一転、名古屋は上位争いに加わった。「この時期に目指すべき戦いができるのは幸せ」と稲垣 祥は語るが、サポーターも同じ思いだろう。ただ、残り2試合を落としてしまえば、ここまでの努力も儚く映る。まずは今節を必勝態勢で臨み、勝点を上積みさせたい。
今節、もし名古屋が勝利できれば、4位以内が確定する。「天皇杯優勝クラブとリーグ戦1、2、3位クラブが重複した場合は、4位クラブがAFCチャンピオンズリーグ2021の出場権を獲得(プレーオフより出場)」という規定があり、来季アジアでの戦いに挑戦できる公算が高まる。もちろん天皇杯の結果次第だが、上位にプレッシャーを掛ける意味でも、下位を蹴落とすためにも今節は勝利が必須だ。
しかし、横浜FCとの前回対戦は、今季の名古屋らしくない点の取り合いの末2-3で敗れた。12分にクロスボールの跳ね返りを、吉田 豊が豪快なミドルシュートを突き刺して先制したにもかかわらず、前半のうちに2点を奪われて逆転を許す。73分にマテウスのゴールで追いついたものの、その5分後に決勝ゴールを瀬沼 優司に奪われた。
今季守備を重視している名古屋にとって、先制してからの逆転負けは二度しかないレアケース。勝ったり負けたりと、チームが安定していない時期でもあったが、フレッシュな選手が多い横浜FCの躍動感にやられてしまった印象だ。今節は相手の良さを封じ込めつつ、前回同様早い時間に先制点を奪って、落ち着いた流れに持っていきたい。
カギを握るのは攻撃陣。ここまで9ゴールを挙げているマテウスが中心となるが、前線の流動的なポジションチェンジで相手をかく乱し、チャンスを決め切りたいところ。また前節からベンチに復帰した山﨑 凌吾の起用法も注目したい。攻守においてターゲットとなる山﨑の復帰で戦術に幅が出せる。先発か、それともジョーカー的な起用か、残りは2戦しかないが彼の復帰は心強い。
対する横浜FCは、3位・名古屋と2位・G大阪との連戦。2位争いのカギを握るチームとして注目を集める。前節・鳥栖戦は前半から主導権を握って相手を押し込む展開で、45+1分に19歳の斉藤 光毅がゴールライン際から折り返すと、ゴール前に詰めた31歳のベテラン・松浦 拓弥が先制。しかし後半は相手に主導権を握られ1-1で引き分けた。自分たちのリズムで試合を進めると、手がつけられないクオリティーがある反面、もろさも同居する横浜FC。名古屋とすれば、しっかりと自分たちのリズムで試合をコントロールすることが大切だ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
