17位・清水と18位・仙台の対戦という、明治安田J1の最終盤に来て“裏天王山”となった。しかも、両者の勝点差はわずか『1』。清水は負ければ最下位転落、仙台は負ければ17位以下が確定することになる。
清水は前節、鹿島と対戦した。キャプテンの竹内 涼、チーム得点王のカルリーニョス ジュニオをともに負傷で欠いたが、2種登録の成岡 輝瑠がリーグ初先発を飾るなど、フレッシュなメンバーがそろった。平岡 宏章監督が「最初の入りのところがすべてだったと思う」と悔やむように、4分、12分と上田 綺世に連続ゴールを決められたことが展開を難しくさせてしまった。後半はやや持ち直したが、結局試合巧者の鹿島を相手に最後までゴールに迫ることができないまま。清水は平岡監督就任後初の無得点で、4試合ぶりの敗戦となった。
対する仙台は第32節を11月に済ませているため、直近のリーグ戦は6日の第31節・大分戦だった。開始から17秒で石原 崇兆のシュートが決まって仙台が先制し、そこから試合を優勢に進めると74分に松下 佳貴のCKをニアで山田 寛人が合わせて追加点。最後まで大分を圧倒して、2-0の完封勝ちとなった。
「アウェイですごくいまは良い調子なので、それを切らさずに残りの2試合を勝って、1つでも上の順位にいけるように頑張りたいと思います」と石原 崇兆が話すように、敵地では3連勝中。良い流れでIAIスタジアム日本平に乗り込むことになった。
対する清水は前節で敗れたものの、平岡監督就任後7試合で3勝2分2敗。特にホームでは2勝2分でいまだ負け知らず。平岡監督は、11月度の月間優秀監督賞を受賞するなど見事にチームを立て直している。ホーム最終戦となる今節は、その集大成を見せたい。また試合後には吉本 一謙の引退セレモニーが行われることになっており、彼を良い形で送り出したいところでもある。
一方の仙台も同じ7試合で見てみると3勝1分3敗。好調の原動力となっている長沢 駿は、その間に6得点を挙げる大活躍を見せている。ちなみに、長沢を含めて、平岡 康裕、そして木山 隆之監督は清水と古巣対決になる。さらに前節J1初ゴールを決めた石原は清水ユース出身だ。このあたりの心境が与える影響にも注目だ。
前節終了後、清水の成岡が「こういう順位にいて、本当であれば降格しているところにいるし、そういうチームがどうやったらサポーターの皆さんに『良かった』と言ってもらえるかというと、一試合一試合に懸ける思いをもそうだが、一つひとつのプレーに気持ちを込めて戦って、あと2試合勝ちを届けられたら、最高の形かどうかは分からないが、できる中では一番良いことだと思う」と話している。
これが両チームの選手たちの心境を表しているだろう。ともにまだ他力ながら、本来であればあったJ2への自動降格、J1参入プレーオフ出場の圏外である15位の可能性を残している。せめて最後のプライドとして、まずこの対決に勝利して、その位置を狙いたい。
[ 文:田中 芳樹 ]