ホームに柏を迎えた前節、C大阪はにらみ合う堅い展開の前半を経て、後半は何度もゴール前に迫るなど優勢に試合を進めたが、柏の5バックを最後まで打ち破ることができず、スコアレスドローに終わった。オルンガ擁する攻撃陣こそシャットアウトしたが、1点が遠い試合となった。中でも気がかりなのは、ここまでチーム最多の9得点を挙げているブルーノ メンデスの状態。前節は後半途中に「違和感」(ロティーナ監督)により交代となったが、今節出場できないようだと、代わりに入る選手の奮闘がカギを握る。今季、ここまで攻撃のキーマンとしてチームをけん引してきた清武 弘嗣と坂元 達裕は前節も何度もチャンスメークしていただけに、今節は1トップに入る選手もうまく絡み、鳥栖のゴールをこじ開けていきたい。
一方、前節は優勝を決めた川崎Fをホームに迎え、堂々とした戦いを披露した鳥栖。アグレッシブに前から行った前半を経て、後半に先制を許したが、レンゾ ロペスの2試合連続ゴールで追いつき、1-1で試合終了。今季、川崎Fに対してリーグ戦で唯一負けなかったチームとなった。直近では8試合連続で複数失点なし。この間、勝利こそ2試合にとどまっているが、“負けにくい”チームになっている。ボール保持では後ろからつないで両SBも高い位置を取り、アグレッシブに攻める。ボール非保持の局面でも走力を生かして前からプレスを掛ける。若い選手の台頭も見られ、シーズン終盤に来て、明確なカラーを持ったチームになっている。
後ろからのビルドアップで試合を組み立てていくチーム同士、どちらが自分たちのペースで進められるかは序盤の見どころ。主導権を握るべく、中盤でのせめぎ合いになるだろう。一方で自分たちの時間帯ではない展開になったときにどう我慢できるかもポイント。C大阪は直近の4試合で3試合無失点と堅い守備を取り戻しているだけに、鳥栖にボールを持たれても慌てることなく対応していきたい。鳥栖としても、前述のように直近は大崩れこそしていないが、劣勢の時間帯をどう盛り返すかは1つの課題にもなっているだけに、アウェイでの反発力も問われそうだ。
天皇杯に出場できる2位を逆転でつかむため、C大阪は残り2試合、1つも落とせない。今節はホーム最終戦でもあり、今季限りでの退任が決まっているロティーナ監督にとってはホームラストの一戦。何がなんでも勝利をもぎ取り、最終節に挑みたい。鳥栖としても安定してきた内容を結果に結びつけることで、より自分たちに自信を深めたい。明確なスタイルを持つ両チームだけに、ポジションの取り合い、ボールの動かし合い、さらにはそれらのベースになる、勝ちたい気持ちのぶつかり合いが楽しみな一戦だ。
[ 文:小田 尚史 ]