鹿島は昨季最終節、最低限の目標と定めていたAFCチャンピオンズリーグへの出場権を懸けてC大阪と直接対決に臨んだが、結果は1-1の引き分けに終わり涙を呑んだ。上田 綺世や沖 悠哉といった今後の中心選手たちが頬を濡らしながらうなだれる姿は、次のシーズンへの活力や雪辱を誓う原動力へとつながった。エースFWのエヴェラウドも残留し、2年目を迎えるザーゴ監督体制も万全の状態で新たな1年に臨むことになる。今季はクラブ創立30周年を迎えるということで、Jリーグ開幕直前のオンライン記者会見に臨んだ上田からは「僕個人としてはその記念すべき年に選手として戦えることをすごくうれしく思いますし、誇りに思います。また、その年にタイトルを獲るというのがこのクラブにとって重要なことなので、それを成し遂げられるようにチーム一丸となっていけたらいいと思う」という言葉が聞かれた。ザーゴ監督も「開幕にあたって非常に良い準備ができたのではないかなと思っています」と自信をのぞかせていた。
対する清水は昨季の最終節でC大阪を率いて鹿島と戦った智将ロティーナ監督を招聘。チアゴ サンタナ、権田 修一、原 輝綺、片山 瑛一、鈴木 義宜、ディサロ 燦シルヴァーノとJリーグの実力者をそろえた陣容は、16位に終わった昨季からの巻き返しへ本気度を感じさえる。ロティーナ監督は「ここまで非常に順調に積み上げができているのではないかと思っています。このキャンプの時期も大きなケガはなく積み上げることができました」と話した。緻密なポジショニングをベースとするだけに短期間ですべてを叩き込むことはできないだろうが、それでも「しっかりと消化して、前向きにやっていけるものと信じています」と前を向く。
このところの両者の対戦は鹿島が圧倒的な数字を残しており、公式戦10試合で8勝2分と清水を寄せつけていない。県立カシマサッカースタジアムでは鹿島が4連勝しており、昨季も明治安田J1第33節では上田の2得点で鹿島が快勝した。ただ、上田は「法政の先輩であるディサロくんも加入しているので、昨年と同じようにはいかないと思う」と警戒する。続けて「昨年以上のパフォーマンスを見せる、または何か違ったものを出さないと、良い試合はできないと思うし、勝つというのは簡単ではないのかなと思っています」と意気込んでいた。
どちらの監督も布陣をコンパクトにして積極的にプレッシングを掛ける戦いを好む。球際の激しい好ゲームが予想される。
[ 文:田中 滋 ]

