20チームが争い4チームがJ2に降格するという未曾有のレギュレーションとなった今季の明治安田J1。なんらかの力か日程くんのイタズラか、横浜FCは開幕戦で札幌、第2節で大分と、昨季シーズンダブルを食らった相手と連続して戦うことになってしまった。イヤな予感は的中し、開幕戦は札幌に1-5と大敗。「非常に痛い。得失点差もそうだし、チームとしてダメージのある敗戦」と、いつもはにこやかな下平 隆宏監督もさすがに顔色を失った。現在の順位は最下位。まだリーグは始まったばかりとはいえ、この続く大分戦を落とすようなことになれば、4チーム降格のプレッシャーが早くものしかかってきかねない情勢だ。
とはいえ、今週は水曜日にJリーグYBCルヴァンカップのグループステージ初戦が行われたことは、横浜FCにとってラッキーに働いた。「リーグ開幕戦に出たいという気持ちがあった中で出られなかったメンバー」(下平監督)を中心に戦い、シュート数や決定機では圧倒されながらも柏に1-0で勝利。「チームとして力になる、大きなゲームだった」と指揮官の言葉にも自信が蘇った。まずは今季初勝利というハードルを1つ越え、手ごたえと選手層の底上げによる勢いを持って大分戦に挑む。
大分には昨季シーズンダブルだけでは収まらない因縁がある。チームの予算規模、リーグ内での立ち位置から「横浜FCにとってはライバルになるチーム」であり、そう語る下平監督にとって大分を率いる片野坂 知宏監督は同い年でかつて柏でともにプレーした僚友だ。その大分に昨季シーズンダブルを食らった悔しさは残っており、しかも2戦目は2-0からの逆転で敗れただけに、指揮官の心のリベンジリスト最上位に刻まれていることは間違いない。
一方の大分も好調とはいえない。開幕戦では今季J1に昇格してきた徳島に60%以上もボールを握られ、特に先制された前半はミスも多く防戦一方。それでも後半は巻き返して同点で終え、「開幕でホームにたくさんの方が楽しみに来られた中で、負けなくて良かった」と片野坂監督は安堵の表情を見せた。しかしルヴァンカップ初戦は横浜FCとは対照的な結果に。こちらも先発全員をリーグ戦から入れ替えて臨んだが、前半に先制したものの追いつかれ、後半に逆転されて1-3の敗戦。「90分のマネジメントの中でパワーが足りなかったし、神戸さんとの差もまだまだあると感じた」と指揮官は力なく語った。
ホームアドバンテージを生かせず公式戦未勝利となった大分にとっても、この横浜FC戦は落とせない。第3節以降はG大阪、FC東京、C大阪と昨季の上位との対戦が続く。その前に初勝利を挙げ、調子を上げて臨みたいところ。まだリーグは始まったばかりとはいえ、J1定着を目指すライバル同士の“絶対に負けられない戦い”に注目だ。
[ 文:芥川 和久 ]