名古屋は、水曜日に行われる予定だった明治安田J1第11節・G大阪戦が試合開始前に中止。すでに豊田スタジアムに来場していたファンも多く、急きょファンサービスとして公開練習を行った。G大阪の選手やスタッフに、新型コロナウイルス感染症の陽性反応者が出たためだが、予防や対策を徹底していても、いつかかるか分からない病気。早期の回復を願うばかりである。
そういう理由で仕切り直しとなった名古屋の今季ホーム初戦。見どころは好調な札幌攻撃陣を、昨季J1最少失点を誇った名古屋守備陣がどう抑えるかが一点。そして両チームともに、これまで積み上げてきたベースをどこまでブラッシュアップさせることができているか、新加入選手の融合度も見どころになる。
アウェイに乗り込む札幌は、開幕戦で横浜FCに5-1と大勝。水曜日に行われたJリーグYBCルヴァンカップのグループステージ第1節でも、福岡を相手に3-2で勝利を収めた。
特にリーグ開幕戦では、相手のスキを突いた開始2分の駒井 善成のゴールを皮切りに、4分には金子 拓郎のシュートがDFに当たってネットを揺らし、45分には小柏 剛の速いクロスをアンデルソン ロペスが胸で押し込み3点目。さらに前半アディショナルタイムにも金子がシュートを決めてリードを広げると、後半にも相手の守備陣を崩してチャナティップがゴールと、圧巻のゴールショーとなった。
9年ぶりにホームで開幕戦を迎え、サポーターの後押しを大きく受けたとはいえ、素早い攻撃への意識と連係は、これまでに培ってきた戦術の賜物。ルヴァンカップでは新戦力が躍動して3得点を挙げ、手ごたえと自信をつかんだことだろう。
対する名古屋も、昨季に作り上げたベースを存分に見せつけた開幕戦だった。名古屋のベースは札幌とは逆に守備の部分。献身的に走り回るダブルボランチが厳しいチェックでパスの出どころを抑え、安定感のあるCBが、パワーのある相手FWでも前を向かせない。ピンチは前線の選手もゴール前まで戻ってクリアするなど、福岡のシュートを2本に抑え、オウンゴールによる1失点のみで2-1と勝利した。
昨季の両者の対戦で、名古屋は2試合とも札幌に1点も許しておらず、被シュートも7本と5本。札幌戦での守り方を熟知している部分もあるが、スキを与えない守備、特にセットプレーからの失点には注意したい。
そして、勝点3を得るためにはゴールも必要だ。その部分では新加入の柿谷 曜一朗がどんな働きをするかも重要であり注目ポイント。開幕戦ではシュートを打つことができなかったが、攻撃の組み立てや守備面でチームの勝利に大きく貢献できた。しかしサポーターが見たいのは“ジーニアス(天才)”のゴール。ホームの初戦で名古屋初ゴールを決めたい。
最後に、愛知県は緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ油断は禁物。選手もサポーターもより感染予防を徹底して、楽しい週末を迎えたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
