ただ、名古屋は堅守を誇る。5試合を終えて総失点はわずかに『1』。無失点の鳥栖に次いでリーグ2位の失点の少なさだ。総得点も『8』と多くはないが、失点の少なさが勝負強さをもたらしている。逆に鹿島は総得点5、総失点6と失点数のほうが多い。決して守れていないわけではないが、得点数も少ないためチームとしての結果につながっていない。
得点数の少なさは得点者の少なさにも表れている。2年目の荒木 遼太郎が4得点と気を吐くものの、ほかは町田 浩樹がセットプレーから決めた1点のみ。昨季18点のエヴェラウドは無得点が続いており、10得点だった上田 綺世は開幕戦の負傷が癒えたばかり。前節の福岡戦では和泉 竜司と土居 聖真が負傷してしまい、攻撃陣に緊急事態が起きている。残念ながらチーム状態が良いとはいえないだろう。
だからこそ、福岡に敗れた前節の直後にすぐさま切り替えようとする監督や選手の姿勢が顕著だった。ディフェンスリーダーの犬飼 智也は「去年最悪のスタートを切って去年の結果だった。今年はスタートダッシュを目指して取り組んできたんですけど、なかなかうまくいってない。ただ、終わってしまったことなので。今日終わったあと、ロッカーでも『次の試合を勝たないと』とみんなで話し合っていましたし、次だと思います」と話していた。対戦相手の名古屋は強敵だからこそ、そこで勝って転機にしたいところだ。
ただ、クラブ初の開幕5連勝で名古屋の意気は益々高まっている。前節・横浜FC戦で先制点を決めた前田 直輝は、「目の前の試合に勝つことだけにフォーカスして、記録はあとからついてくるものだと思っていた」と話す。勝つことで自信につながり、その自信が目の前の試合に集中すれば結果はついてくるというさらなる自信を生む好循環が生まれていると言えそうだ。
オウンゴールでの1失点しか許していない堅守の名古屋から鹿島が先制点を奪えれば、これまでの流れが変わるかもしれない。昨季のリーグ戦での対戦は1勝1敗。豊田スタジアムでは鹿島が3-1で勝利し、県立カシマサッカースタジアムでは名古屋が2-0で勝利した。今回の対戦では果たしてどちらが勝利の凱歌をあげるのだろうか。
[ 文:田中 滋 ]

