まずは、両者ともに今季の陣営を見ていきたい。
ホームの徳島はまだクリスティアン バトッキオやカカは合流前だが34人編成の大所帯。翌週にAFCチャンピオンズリーグの日程変更の関係で第18節・C大阪戦が組まれ、JリーグYBCルヴァンカップも含めると公式戦11連戦になったものの、編成人数の多さも含めた総合力で乗り切ろうとしている。また、昨季もコロナ禍の影響でイレギュラーな戦いを乗り越えてきただけに、主将の岩尾 憲が「試合数だけを見ると『11』という数字は非常に多いが、ある程度自分たちの中で計算は立つ。まったく見えないものに立ち向かうものではない」と言うように焦りはない。
一方、仙台は今季から就任、いや復帰と呼ぶべきだろうか。2013年以来8年ぶりに仙台で指揮官を務める手倉森 誠監督の下、多くの選手が出場機会を得て、競争力がある中でチーム力を高めている。ただ、関口 訓充やイサック クエンカなどの主力選手が長期離脱中。フォギーニョ、エマヌエル オッティ、ストイシッチ、フェリペ カルドーゾが合流前ということもあり、現状の編成人数からするとこれ以上はケガ人を増やしたくないだろう。
次に、ここまでの成績について。
勝点8で9位の徳島。勝点1で20位の仙台。徳島はここまで得点数が伸び悩んだが、前節・清水戦(3○0)は大量得点で勝利。同時に今季初の無失点に結びつけられ、試合を重ねるごとに成長が感じられる。一方の仙台はまだ苦しい状態。特に守備面は第2節・川崎F戦(1●5)、第3節・鳥栖戦(0●5)などの大量失点もあって改善が急務。その対応策として、[4-2-3-1]でスタートした今季だが、第4節・湘南戦(1●3)から[3-4-2-1]にシステム変更して守備時は[5-4-1]で守る方法を選択。メンバーの組み合わせにも手を加えながら、少しずつ安定がもたらされ始めた。ただ、まだ最適解を見いだせたとまでは言い切れない。
試合展望は仙台の出方次第だが、5バックを選択するならば徳島がボール保持率を高める展開が予想される。ただ、徳島としては[5-4-1]をこじ開けるまでの精度はまだ不足している。コンビネーションなのか、3人目の動きなのか、セットプレーなのか。ビルドアップは狙いどおりできそうだが、アタッキングサードでは人数が密集した守備を突破するための具体的な策が求められる。仙台としては、守備の安定を優先した5バックではなく、ルヴァンカップDグループ第2節・清水戦(0●1)や前節・神戸戦(0●2)のように再び4バックに戻して原点回帰で臨むのか。まずはどちらのシステムを選択してくるかに注目だ。
[ 文:柏原 敏 ]


