それから1カ月が経ち、現在のチーム状態は明暗が分かれている。仙台は立て直しのきっかけをつかめるか、横浜FMは勢いを加えられるか、それぞれ問われる一戦になる。
アウェイチームの横浜FMは、ここまで7試合を戦い、4勝2分1敗の勝点14で8位。開幕戦こそ川崎Fに敗れたものの、その後は負けなしで突き進んでいる。4月6日に行われた前節はC大阪と対戦し、オナイウのゴールが決勝点となって勝利。勢いをつけてアウェイの地に乗り込む。
今季もアンジェ ポステコグルー監督が標ぼうする複雑かつ攻撃的なスタイルは健在で、チームとしてのボールの運び方、ここぞという場面での個人技の発揮、それぞれに独自のものがある。この連戦の中でも選手たちが攻守にわたりよく走る運動量も目を引く。
ホームチームの仙台は、なんとか不振を脱出したい。ここまでの7試合で1分6敗と勝利がなく、開幕戦で引き分けたあとは昨季のJ1第14節から第19節以来となる6連敗と厳しい状態にある。勝点1の19位からはい上がるためにも、このホームゲームで勝利を挙げなければいけない状況だ。
今季から指揮を執る手倉森 誠監督の下で、全員守備・全員攻撃の組織作りを進めているが、「良い守備から良い攻撃へ」というリズムを作る上で守備組織の構築ペースを早めなければならない状況にある。7試合中6試合で前半のうちに先制点を許していることもあり、守備の引き締めが必要。ボールを奪う位置に応じた柔軟な守備隊形作りを進めているが、横浜FMの変幻自在の攻撃に対してどのように対策をしてくるのか、注目したい。ルーキーながら試合経験を積んでいるCBのアピアタウィア 久が、今節は出場停止。替わって誰が出場するかもポイントだ。ベテランのシマオ マテ、平岡 康裕に加え、中盤でもプレーする吉野 恭平や、若手の照山 颯人も候補だ。
対照的な両チームだが、攻撃面で楽しみな選手はどちらも多い。横浜FMは、得点ランキング2位タイの6ゴールを挙げている前田 大然が好調。前節はJ1新記録となる62回のスプリント数を記録するなど攻守両面で精力的に走るが、やはりゴール前に素早く進出するときにそのスピードが一番の見せ場を迎える。仙台は、ルーキーの加藤 千尋を推したい。2列目からの飛び出し、距離やタイミングを選ばないシュートのアイディアを発揮し、チーム内での存在感を増している。このような選手がプロ初ゴールをホームで決めることができれば、チームに勢いがつく。こういった選手たちの活気あふれるプレーからも、目が離せない。
[ 文:板垣 晴朗 ]


