5年ぶりのJ1を戦う福岡は序盤こそ苦しんだが、昨季から続く組織的かつアグレッシブな攻守を継続。レベルが上がった舞台での戦いに慣れてくると、まずは昨季の代名詞でもあった堅守が蘇り、カウンター主体の攻撃にも迫力が出て勝点を重ね始めた。しかし長谷部 茂利監督が「紙一重の戦いでどうにか勝点を重ねている状況」と、好調を感じながらも課題はまだまだ多いという認識を持ち、選手の気持ちを引き締めている。
一方の柏は明治安田J1第3節からの6試合を1分5敗と未勝利で苦しんだが、第9節・G大阪戦、第10節・大分戦、前々節・徳島戦で3連勝。調子は上向きにあるものの、好調とは言い切れない状況にある。
柏は未勝利が続く中で、良い守備から良い攻撃というスタンスを継続した。第8節を終えてクリーンシートがない状況で、4バックから3バックへのシフトチェンジと仲間 隼斗のボランチ、川口 尚紀の右CBへのコンバートを加えながら守備の安定化を図り、状況が改善された。前節の仙台戦は0-1の敗戦。今度はボールを握ってはいるが、構える相手を崩す攻撃構築という面で課題が出ることになった。ただ、この課題も一歩前進したからこそ生まれたものだと捉えることはできる。
良い守備から始める、というスタンスにおいて共通する両チームの対戦は堅い試合運びになることが予想される。堅く守るという意識があるだけに局面でのバトルは激しくなりそうで、そこは見どころの1つに。またそこで生まれるセットプレーの攻守も勝負を分けるポイントの1つになりそうなので、注目したいところ。
もう1つの見どころは外国籍選手のパフォーマンス。両チームの外国籍選手の保有数はJ1最多タイでそれぞれ8人を擁する。彼らがどんなプレーでチームに貢献するのかに目をこらしたい。
福岡は今季加入のブルーノ メンデスが3連勝中に2得点を挙げた。コロナ禍で来日が遅れ、4月に合流したばかりのジョルディ クルークスは前節・浦和戦で今季初先発し、攻守で能力の高さを発揮した。ジョン マリはルヴァンカップAグループ第4節・札幌戦で初ゴールを挙げると、その後の公式戦2試合でもゴールを挙げ、現在3試合連続得点中。ドウグラス グローリやエミル サロモンソンら昨季から在籍する選手に加えて、攻撃に多彩さとパワーを加えた今季加入組もチームに融合。総合力アップに貢献し始めている。
柏は4月に合流したペドロ ハウルとアンジェロッティが前々節・徳島戦で、ドッジは前節・仙台戦でリーグ戦デビューを果たした。アンジェロッティはルヴァンカップCグループ第5節・浦和戦で2ゴールという結果を残しているが、ほかの2人もルヴァンカップで先発を果たすなど、チームへの融合が着々と進行中だ。ぜひ注目してもらいたい。
[ 文:島田 徹 ]


