両者の近況を見ていく。
徳島は4勝2分7敗。コロナ禍の影響で入国が遅れていたが、ようやく4月に合流できたダニエル ポヤトス監督。しかし、自ら指揮を執るようになってからのリーグ戦は3敗と勝点がまだない。一方で、JリーグYBCルヴァンカップでは1勝2分と相応の成績。リーグ戦とカップ戦で何が異なるのか。成熟度なのか、それとも相手の質なのか。さまざまな要因が複雑に絡み合っていることは推測できるが、いずれにせよ、踏ん張りどころであることに変わりはない。
課題を感じさせるのはチャンスの創出回数。J1第10節・鹿島戦と、J1第12節・鳥栖戦はシュート2本。J1第11節・柏戦はシュート7本まで伸ばせたが、決定機と呼べる回数は減少傾向にある。勝点1ずつでも積み上げられていれば状況は異なるかもしれないが、いずれも敗戦。
さらに「今すぐにでも、1日でも早く、解決していかなければいけない」(ダニエル ポヤトス監督)というセットプレーからの失点が止まらず、苦戦を強いられており、直近のルヴァンカップBグループ第5節・大分戦もCKから失点を許している。攻撃面、セットプレー対応の課題はともに一朝一夕で改善されるものではないが、このままズルズルと下位グループに吸収されるわけにはいかない。
一方の札幌は3勝3分5敗。17得点を挙げている攻撃面は相応の成績だが、17失点の守備面は改善要素がありそうだ。チーム最多得点は9ゴールのアンデルソン ロペス。この成績はレアンドロ ダミアン、古橋 亨梧と並んでリーグ1位タイ。また、徳島戦のかみ合わせを考えたときに得点の可能性が広がりそうなのは、セットプレーで相手の弱点を突くこと。札幌には福森 晃斗というリーグ屈指のキッカーがいる。CKは1試合平均で約6回獲得しており、そのうち少なくとも1つは決定機に持ち込めるだろう。また、獲得位置にもよるが、FKは1試合平均で約8回獲得している。アシストだけではなく、福森自らゴールを狙える場面もあるだろう。
前節・湘南戦を「順位が近いチーム同士の対戦のため、両チームとも勝点が欲しいという試合でした」(ペトロヴィッチ監督)と振り返ったが、今節も同様の位置づけの一戦となる。
徳島はダニエル ポヤトス監督体制として、リーグ戦初勝利を挙げられるか。それとも、アウェイの札幌が勝点3を持ち帰るか。結果によって現在地がより明白になる一戦。両者ともに譲れないものがある。
[ 文:柏原 敏 ]


