公式戦5連戦の4戦目となる明治安田J1第16節。昭和電工ドーム大分では、不調にあえぐ大分が強豪・横浜FMに挑む。
大分は前節、同じくJ2降格圏に沈む仙台との直接対決に1-2で敗れる痛恨の結果。2勝3分9敗の勝点9となり、18位へと転落した。一方の横浜FMは、リーグ戦はここ2試合未勝利だが、8勝4分2敗の勝点28で4位。JリーグYBCルヴァンカップDグループ第6節では清水を5-1で下すなど、持ち前の攻撃的スタイルで上位を争っている。
負傷者が多発している大分にとって、開幕からほぼ途切れずに続く連戦は厳しい。ここ数試合はようやくチームの成熟度が高まってきたことがうかがえる内容だったが、ゲームを掌握していても得点できず、選手層の厚みで差をつけられて勝点を失う試合が続いている。新加入のエンリケ トレヴィザンが3バックのセンターを務めるまでにフィットしたことは好材料だが、前節の仙台戦ではカウンター対応に大きな課題が出た。その守備組織が、横浜FMのスピードと迫力のある攻撃を食い止めることができるか。
これまで片野坂 知宏監督とアンジェ ポステコグルー監督の対戦は2勝2敗。大分にとって戦術的相性は悪くなく、ポジショニングで先手をとった試合では無失点で勝利している。ただ、前回対戦となる昨季のJ1第21節は、失点後にバランスを崩して0-4と大敗。横浜FMのストロングポイントを引き出す展開となってしまった。今節は粘り強い戦いが必須となる。
その試合で流れを引き寄せる先制点を挙げたのが、大分の育成組織出身の松原 健だ。こぼれ球からの見事な左足ボレーだった。松原は前節の柏戦でも86分に勝点1をもたらすゴラッソを決めており、ハーフスペースの使い方の巧みさを結実させている。
攻撃することで相手を封じるスタイルの横浜FMが複数失点を喫したのは、開幕戦の川崎F戦(0●2)、第2節・広島戦(3△3)、前々節・鹿島戦(3●5)。ただ、ここまで7試合を無失点で抑えている。さらにその広島戦と鹿島戦も含め、3得点以上を挙げているのも7試合。徳島や湘南、C大阪、柏といった粘り切れるチームに対してはロースコアとなっているが、やや調子を落としている相手に対しては容赦なく得点を重ねる傾向にある。好調の鹿島とは攻め合いを演じ、選手交代でギアを上げて迫力のある追撃を披露した。
クリーンシートは第12節・清水戦の1試合のみという苦境の大分が、横浜FMの攻撃力を抑えることができるか。失点したとしてもバランスを崩して傷口を広げることなく、辛抱強く好機をうかがうことが勝機へとつながるはずだ。松原とともに大分の育成組織出身の岩田 智輝、2019年に大分でプレーしたオナイウ 阿道も在籍する相手に対し、チームが苦境からはい上がる姿を示したい。
[ 文:ひぐらし ひなつ ]