ホームの福岡は現在4連敗中。第10節からの6連勝のあと、調子が急激に下降した。ここ4試合はいずれも2失点、しかも前半のうちに先制を許しているのが連敗の要因。我慢強く失点を抑えながら、相手が焦れてきたところで効果的に得点を奪う。そして粘り強く守って逃げ切るのが今季前半の勝ちパターンだったが、先制を許すことで、得意なパターンに持ち込むことができていない。
特にここ2試合、第20節・浦和戦と第22節・横浜FM戦の2失点の要因を長谷部 茂利監督は「守備の強度が落ちているから」と分析している。相手が試合をこなしていく中でチーム力、攻撃力が上がっているのに、それと同等の、あるいはそれ以上のレベルアップをしなければ失点は抑えられないという主旨の話もしている。
つまり、個の能力が高いG大阪の攻撃陣を抑えられるか、それによって自分たちのペースで試合を進められるか、そして連敗を止められるかどうかは、個々とグループとしての守備の強度をどれだけ上げられるかがカギになりそうだ。
G大阪にとっては今節が6月2日の第19節・湘南戦以来のリーグ戦となる。6月25日から7月10日までウズベキスタンに出向き、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ6試合を消化しての今節。ハードな日程による肉体的な疲労度、またJリーグ勢で唯一グループステージ敗退となったことによる精神的ダメージからの回復が今節のポイントになりそうだ。
悔しい思いをしたことは確かだが、ウズベキスタンでの戦いの中に収穫もあった様子。倉田 秋は「いろいろな選手が試合に絡めたし、あまり経験できないことを経験できた」と選手層の底上げと、国外での過酷な戦いの中で価値ある経験を積んだことが今後のリーグ戦につながるだろうと予測。
そしてウズベキスタンに渡る前のリーグ戦では得点力不足に苦しむ状況だったが、ACLでは6試合すべてで得点を挙げた。特にグループH第5節・タンピネス(シンガポール)戦では大量8ゴールをマーク。苦しんできた攻撃陣にとっては良いきっかけになりそうだ。
それでも、松波 正信監督は「積み上げてきたものはあるが、崩しの局面をもっと増やさなければならない」と気を引き締めている。そのあたりの意識が選手にも浸透して、攻撃面でのさらなるパワー注入が実行されれば、ここ3試合で2勝1分のリーグ戦においても本当の勢いにつなげることができるのではないか。
4連敗中の福岡・長谷部監督はホームゲームではあるが「連敗している身でもあり、自分たちの目標に進むためには勝点が必要。そこにこだわって必死に戦いたい」と、勝利が取れればベスト、引き分けによる勝点1の獲得でも十分というニュアンスのコメントを残している。
堅守再建で態勢を立て直したい福岡、得点力アップの兆しを確信に変えたいG大阪。思惑どおりに事を進めるために重要な結果を手にするのはどちらになるか。
[ 文:島田 徹 ]


