名古屋はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)や東京五輪による中断期間を挟んだが、前節の湘南戦で勝利するまで、リーグ戦でおよそ3カ月間勝利がなく、順位もACL圏外にまで落ちてしまった。
立て直したいチームはポーランド代表FWシュヴィルツォクと、札幌からキム ミンテを補強。シュヴィルツォクは明治安田J1第18節・横浜FM戦で交代出場し、キム ミンテは加入後3日目となる湘南戦で即先発させるなど、期待の高さをうかがわせた。
しかもそのキム ミンテはチームの期待に応え、いきなり決勝ゴールを挙げてヒーローに。ミッドウィークに行われた天皇杯ラウンド16・神戸戦では、シュヴィルツォクも終了間際に決勝点を挙げた。新戦力が期待を裏切らない結果を出し、チームのよどんだ空気を一掃させた。
一方の福岡はこの夏に加入したのは湘南から獲得した中村 駿のみ。2016年にアマチュア契約で群馬に加入し、そこから山形、湘南と徐々にステップアップしてきた苦労人だ。前節・C大阪戦ではフル出場し、勝利に貢献している。
そのC大阪戦は90+6分に勝ち越しゴールを奪う劇的な勝利だった。39分に山岸 祐也のゴールで先制したものの、前半アディショナルタイムにロングスローから失点。両チームともに攻撃的なカードを切る中で、最後の最後にジョルディ クルークスが左足で決めた。この勝利は福岡にとって8試合ぶりの勝点3となった。内容も充実したもので、長谷部 茂利監督は「自分たちのスタイルというか、やりたいこと、やらなければならないことを前面に押し出してやれた」と手ごたえを語っている。
福岡は第10節から15節にかけて6連勝を飾っていることからも分かる通り、勢いに乗れば怖い存在になる。現在は10位だが、ここで連勝を果たせば上位進出も現実味を帯びる。
今回注目したいポイントは、名古屋が堅守を本当に取り戻せているかどうか。福岡がそれを打ち破ることができるかどうかだろう。前回対戦は開幕戦で相対し、2-1で名古屋が勝利した。福岡の1点も名古屋のオウンゴールで、福岡は攻め込む場面はあったものの、特にゴール前が堅い名古屋の壁を崩せなかった。
名古屋はACLから帰国以来、らしくない複数失点が続いていたが、前節でようやく無失点に抑えた。この堅守こそが名古屋の勝利の方程式であり、先に得点を奪われると逆転することができていない。いかに無失点に抑えて先制点のチャンスを待つかが大切になる。
長いトンネルを抜けただけで安堵していてはいけない。両チームとも今節の勝利が2段ロケットのエンジンに火をつけることになる。
[ 文:斎藤 孝一 ]
