ここに来て両チームとも上り調子だ。横浜FCは前々節、2位・横浜FMを相手に引き分け。さらに、前節は今まで一度も勝ったことのなかったアウェイ・鹿島戦で勝点3を手にした。前線から組織的にプレッシャーを掛ける守備と、高い位置でボールを奪ってサウロ ミネイロや松尾 佑介の推進力でゴールに迫る攻撃がかみ合い、前節では瀬古 樹の直接FKとCKから2点を挙げるなど、セットプレーも武器として計算できるようになってきた。
対する徳島は前々節・仙台戦、前節・鳥栖戦と2連勝。とりわけ前節の戦い方は衝撃的だった。ボールを保持して主導権を握る戦い方にこだわる徳島が、守りを固めてカウンターを狙う戦い方を選択。ボール保持率はたったの34%だったが、前がかりで攻める相手をカウンターの罠にハメて3得点を奪ったのだ。スピードに乗ると速い垣田 裕暉が2得点、身体能力の高い新戦力のムシャガ バケンガにも初ゴールが生まれた。
横浜FCはどうしても勝たなければならないが、徳島はアウェイで勝点1ならば最悪の結果ではない。だとすれば、前節同様に相手にボールを持たせ、ゴールをこじ開けようと躍起になって守りが手薄になったところへカウンターを浴びせるのが得策だろう。実際、横浜FCは引いた相手を崩して奪った得点は少なく、逆に前がかりで押し込んでカウンターから失点する場面はイヤになるほど見てきた。横浜FCとしては、 徳島の路線変更は頭の痛いところだ。
徳島は残留圏に浮上して若干の余裕があり、最下位を相手にダニエル ポヤトス監督が再び理想を追求する可能性もゼロではない。ただ、横浜FCにとっては、引き分けOKの相手が守りを固めてカウンターを狙ってくる試合がこれから先は必ず出てくる。瀬古のセットプレーに加え、攻撃のアイディアとテクニックに優れる松浦 拓弥が前節で復帰したことも明るい材料だ。あとは3バックの中央で守備を統率するベテラン・高橋 秀人がいかにリスクマネジメントできるか。すべてはそこに懸かっている。
[ 文:芥川 和久 ]
