3年ぶりにJ1に戻ってきた磐田。久しぶりのJ1での開幕戦は、立ち上がりこそテンポよくボールをつなぎ、本来の良さを出す時間帯もあったが、試合を通じて福岡のインテンシティーに苦しみ、思い描いていたようなゲーム展開を披露することはできなかった。苦しい時間帯が続いた中でも三浦 龍輝のファインセーブや最終ラインの頑張りもあって1失点で食い止めると、後半アディショナルタイムに途中出場のジャーメイン 良が値千金の同点ゴールを奪取。なんとか土壇場で勝点1を獲得し、悪くないスタートを切ったと言える。
ただ、内容面でさらなる成長の必要性を感じたことも事実だ。もちろん福岡がJ1トップレベルの強度を誇っていたとはいえ、プレースピードやインテンシティーはJ1基準にアップデートしなければいけない。さらに伊藤 彰監督は、立ち位置のオーガナイズにおける課題も指摘しており、清水戦に向けて「個人、個人の役割をもう少し変えてみて、チャレンジしていこうと思っている」と話す。福岡戦を踏まえた修正ポイントも明確となっている。
その中で注目はシャドーの人選だ。開幕戦を欠場した山田 大記は別メニュー調整が続いており、このダービーには間に合わないだろう。福岡戦では相手の最終ラインを下げる前線でのアクションが不足していた点も踏まえて、動きで変化をつけられる金子 翔太には期待したい。初めてサックスブルーのユニフォームで“静岡ダービー”を戦う背番号40は、攻撃を活性化できるか。
対する清水の開幕戦は、序盤から札幌のハイレベルなビルドアップの前に主導権を握られ、15分に失点を喫する苦しい展開を強いられた。しかし、権田 修一のPKストップもあって最少失点で粘り続ける。すると後半は攻撃も活性化し始めて、68分には鈴木 唯人が角度のないところから豪快な一発を仕留めて追いついた。こちらも引き分けでのシーズン幕開けとなっている。
しかし、清水は負傷者の多さに悩まされている。22日には昨季13得点でチームトップスコアラーとなったチアゴ サンタナをはじめ、松岡 大起とディサロ 燦シルヴァーノの負傷も発表。特に札幌戦で本職ではない鈴木 唯人と神谷 優太を起用した最前線は駒不足に悩まされている。
その中でやはり注目は、鈴木 唯人だ。開幕戦で値千金の同点ゴールを決めただけでなく、チャンスメークでもドリブル突破など持ち味を発揮。清水の背番号23はいまのチームにとって欠かせない存在だ。磐田からすれば、清水のストロングポイントをいかに封じられるか。これがダービー勝利へのカギとなるだろう。
お互い喉から手が出るほど欲しいシーズン初白星を懸けたダービー。白熱したバトルを繰り広げるはずだ。
[ 文:森 亮太 ]