湘南はかつての指揮官から勝利をつかみたいところだが、前節の浦和戦は0-2で敗戦。
「浦和がずっとボールをつないでくることを知った上で、自分たちは前からプレスに行こうとしましたが、うまくハマらずボールを回された」と田中 聡は振り返る。ただ、戦術以前に一番問題だったことは「気持ち的な部分で浦和のほうが上回っていた」(田中)こと。米本 拓司は「戦う部分を開始1分から見せつけないといけない」、「球際やボールをもらう動きなど基本的な部分を見直して、戦術うんぬんよりも気持ちの部分を本当に出さないと、J1という舞台で勝つことは難しい」と厳しい指摘をした。
まずは勝つための本質的な部分を見つめ直さなければ結果はついてこない。「それができていなければ勝てないのは当たり前」と瀬川 祐輔は語気を強め、「ボールを取られるかもしれないリスクを冒しながら、前へのパスも出していかないと、相手がラクに守備をできてしまう。そういうメンタル的な部分が課題」とセーフティーなプレーを選択してしまう現状を指摘した。
一方の京都は前節、同じ昇格組の磐田と戦い1-4で敗戦。0-1で迎えた45分に上福元 直人が退場し、数的不利になったことで後半だけで3失点を喫した。しかし、この状況下で1点を返したのがピーター ウタカだった。味方からのスルーパスを前線で受けたピーター ウタカは相手DFに寄せられながらも単独で持ち込み、ゴールを決めてみせた。1人でゴールを決めてしまう強力な個が京都には存在する。
だが、京都の一番の武器はハイライン・ハイプレスによるアグレッシブな守備だ。それに元湘南の松田 天馬らもこの試合へ懸ける気持ちは強いはず。それがピッチ上でどのように表されるか。
湘南の山口 智監督は「曺さんのサッカーはやはり勢いの強いものがあるので、受けないように流したい」と言う。受けに回り過ぎてしまうと前節のような結果になってしまう。そのときの反省を踏まえ、今週は「各選手が良さを出すことにフォーカスしている」(山口監督)。
なお、この試合は山口監督にとっても古巣対決になるが特別な感情はないそうで、「勝てていないので、自分たちがなぜ準備してきたことを表現できなかったかということに重きを置いている」と勝利だけを見据えている。
『リーグ5位以内』と高い目標を掲げている今季の湘南。ここで勝利を収め、最下位に沈んでしまっている現状から上位へ向かって巻き返していきたい。そのためにも、同じ轍を踏まないようにしなければならない。
[ 文:舞野 隼大 ]
