1993年5月15日に行われた、Jリーグの開幕カードと同じチームのぶつかり合いが実現した。それも、同じ国立競技場。5万人以上の来場者が予想されており、多くのプロモーションもあって世間も注目する一戦となった。
16年ぶり。
昨季の明治安田J2で3位となり、J1昇格プレーオフを勝ち抜いた東京VがJ1の舞台で戦うのは16年ぶりだ。すでに選手やコーチングスタッフ内に東京VのJ1を経験している者はいない。それでも、悲願を達成して臨む初戦に向けて、ファン・サポーターの熱も上がっている。
東京Vは全員のハードワークによって達成したJ2最少失点の堅守と、狙いを持った厚みのある攻撃で確固たるスタイルを築き上げてきた。
「誰かに頼るサッカーをしていない。全員でエネルギッシュに、全員でリスクを背負いながらメリハリのあるサッカーをしたい」 東京Vが志向するサッカーについて、城福 浩監督はそう話している。
主将の森田 晃樹は注目度の高い試合に向けて、「選手にとってはどの試合も変わらないが、出来次第で世間の、クラブに対する評価につながると思う。選手としては大事な一戦」と話した。
相手は横浜FM。選手のこれまでの実績、J1での経験などを踏まえれば、地力があるのはどちらかというのは明確だ。
「前線3人の外国籍選手はとても強力」(稲見 哲行)というのは皆の意見であり、さらに渡辺 皓太、ポープ ウィリアムら東京Vアカデミー出身選手も在籍する。昨季まで東京Vでプレーした加藤 蓮も、SBとしてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16・バンコクU(タイ)戦に2試合先発している。ともにいろいろな思いを持って、この試合に臨むことになるだろう。
横浜FMは先述のACL2試合で結果を残し、ベスト8入りを決めている。アンデルソン ロペス、エウベル、ヤン マテウスらも健在だ。一方で、21日のラウンド16第2戦で120分を戦っているのは気になるところ。ACLから多少のメンバーの入れ替えがあるかもしれない。
「主力を担ってきた選手が変わらずいるので、攻撃の特徴は変わらないと思うが、特にSBのアグレッシブさというのは強固になったと思う。何より、ACLを2試合経験しているのでゲーム慣れをしている。そのゲーム慣れに対して、試合の始めのところは気をつけたい」 東京Vの城福監督はそう述べている。
今季から横浜FMの指揮官に就任したのは、かつてオーストラリア代表として日本代表の前に何度も立ちはだかってきたハリー キューウェル監督。セルティック(スコットランド)などで指導経験を積み、今度は横浜FMのリーグタイトル奪還というタスクに挑んでいる。21日のACLでは120分で1得点に終わるも、35本のシュートを放つなど攻撃的なサッカーを進化させようとする姿は見て取れた。
ともにアグレッシブさが魅力であり、強度の高いサッカーが見られそうだ。緑のプライドか、トリコロールの充実か。面白い開幕戦になりそうだ。
[ 文:田中 直希 ]


