クラブ創設30周年。C大阪は今季の目標を“リーグ優勝”に定めてスタートした。開幕からの2試合はいずれも勝点1にとどまったが、FC東京戦、鹿島戦ではボール保持率、シュート数、ゴール期待値でいずれも相手を上回り、今後へ向けて期待が高まる内容を披露した。
特に昨季のリーグ終盤の課題でもあった攻撃面での進歩はハッキリと見られ、ピッチに落とし込まれている。その中心にいるのが、今季から加入した田中 駿汰と登里 享平。前者はアンカーとして中央に君臨。ボールを引き取り、前線へ供給する役目を果たしている。後者はスタートの位置こそ左SBだが、ボール保持の際は中に絞ってプレー。相手を引きつけ、プレスを回避することに成功している。
運んだ先のルートも多彩だ。レオ セアラ、カピシャーバ、ルーカス フェルナンデスの強力3トップに香川 真司、奥埜 博亮のインサイドハーフ、さらには右サイドから日本代表の毎熊 晟矢が絡む攻撃は迫力があり、見る人を魅了する。
もっとも、2試合とも先制して試合を優位に進めながら、追いつかれて勝点3を逃していることは課題。「この2試合、チームとしてのクオリティーは出せている。あとは結果。今節はそこにこだわって戦いたい」とは、前節はキャプテンマークを巻いて奮闘した西尾 隆矢。追加点を取って突き放すこと、選手交代も含めた試合の締め方は、今節もポイントになる。また、前節で負傷交代したレオ セアラとルーカス フェルナンデスは欠場の可能性があり、彼らに替わって入る選手たちのパフォーマンスもカギを握る。
対する東京Vも、開幕からの2試合は横浜FM、浦和と優勝候補を相手にいずれも先制点を奪うなど健闘。16年ぶりに戦うJ1だが、臆することなく挑み、連勝を遂げていてもおかしくない内容を披露した。
それだけに、C大阪と同じく今節は勝点3を強く求める一戦となる。ボールを持たれる時間は長くなることが想定されるが、染野 唯月、木村 勇大の2トップを起点としたコンパクトでアグレッシブな守備をベースに、ボール保持の際は速攻だけではなく、丁寧につなぐ遅攻も織り交ぜてゴールに迫りたい。得点源になっているセットプレーを生かすことや、この2試合は終盤にPKを取られて追いつかれていることを考えると、交代で入る選手の役割も重要になる。チーム全体での一体感やハードワークも勝利には欠かせない。
開幕から2試合を終え、好印象を与えている両チームだが、“勝ち切る”部分で大きな課題を残したことも事実。直近2試合の手ごたえを今季初勝利につなげるのはどちらか。両チームの勝利に対する思いが激しくぶつかり合う一戦から目が離せない。
[ 文:小田 尚史 ]


