“初勝利”を目指すチーム同士の対戦となる。福岡はここまで1勝2分と負けはないが、ホームの2試合をいずれも引き分けており、今節での“ホームゲーム今季初勝利”が最大のミッションとなる。一方のFC東京は開幕から2試合は引き分けとなり、前節は王者・神戸に屈して今季初の敗戦。今節は“今季初勝利”が最大のテーマとなる。
まずは、それぞれの前節の戦いを振り返ろう。ホームに湘南を迎えた福岡は6分に
紺野 和也のクロスを
ウェリントンが左足で合わせる。ブラジル国籍FWの今季初ゴールでさい先の良いスタートを切ったが、13分に右サイドを崩されて失点。その後も優勢に進め、最終的に15本のシュートを放つが、勝ち越し点を奪えず1-1で引き分けた。
FC東京は神戸を相手に開始早々、ハンドによりPKを献上するが、神戸のエース・
大迫 勇也が足を滑らせるまさかのミス。運も味方してピンチを切り抜けたあとは粘り強く試合を進めて、前半をスコアレスで終える。50分にセットプレーの流れから今季初先発の
小泉 慶が先制ゴールを挙げるが、7分後に追いつかれる。74分には
エンリケ トレヴィザンの一発退場となるファウルで与えたFKを大迫に沈められて、1-2で敗れた。
今節の勝敗を予想する上で、1つのヒントになるのは過去の対戦成績とそれによる相性度。2021年にJ1へ復帰した福岡とFC東京の直近3シーズンの対戦はリーグ戦とJリーグYBCルヴァンカップを合わせて10試合。その戦績は福岡が6勝3分1敗と圧倒的にリードしている。唯一の敗戦は昨季のルヴァンカップ準々決勝第1戦のアウェイゲームで、6勝のうち5勝はホーム・ベススタで挙げたもの。FC東京にとって福岡は非常に相性が悪い相手であり、特にベススタでのゲームは鬼門と呼べる。しかし……。
前記の福岡5勝のうち4試合で計5ゴールとFC東京に対して抜群の相性を見せていた
山岸 祐也は名古屋に移籍し、いまはいない。昨季のチームトップスコアラーである山岸の穴をどう埋めるかは福岡のテーマの1つだが、今節はそれに対するアンサーを強く求められる。“ポスト・山岸”に名乗りを上げるのは、前節で今季初ゴールを挙げた
ウェリントンか、今節が古巣戦であり、直近2試合で1ゴール・1アシストと好調の紺野か、それとも常人離れの走力を生かして攻守で存在感を発揮し、加入後初ゴールが待たれる新戦力・
岩崎 悠人か。もしかして7日に加入が発表されたJリーグ初のイラン国籍アタッカー・シャハブ ザヘディがリーグ戦登録に間に合い、今節でいきなりのデビュー、そして初ゴールと強烈なアピールに成功するのか。
相性という点で見ればFC東京にも光がある。福岡の長谷部 茂利監督は「東福岡高出身の選手には気をつけたい」と言ったが、同校出身で今季FC東京に加入した
荒木 遼太郎は今季の3試合で3ゴールと絶好調。その荒木は鹿島在籍時、2021年と2023年のルヴァンカップ2試合で福岡からゴールを挙げて、勝利に貢献。そのうち5-1で大勝した2021年のゲームはベススタで行われた。今節も福岡戦で気持ちが上がることだろう。
相性度が1つの見どころとなる一戦で、“今季初勝利”の喜びを味わうのは福岡か、それともFC東京か。
[ 文:島田 徹 ]