鹿島は前節で柏と対戦し、2-1で勝利した。特に前半は相手を圧倒。不動の左SBとして先発出場を続ける安西 幸輝は「3連戦の中で一番良いプレーができた」と振り返る。「相手の出方だったり(を見て)、ピッチを広く使いながら、ボールを回しながら裏抜けも忘れない。両方の選択肢を持ちながら前進できて点も取れたので、すごく良い前半だったと思います」と続けた。良い感触と3連勝で生まれた勢いを東京Vにぶつけたい。
また、東京V出身の安西にとっては待ちに待った対戦でもある。
「(育成組織時代を含めて)12年間過ごしたクラブですし、サポーターの皆さんだったり、スポンサーの方々には本当によくしてもらいました。そのクラブと試合をするのはお父さん、お母さんの前で試合をするみたいな感覚です。気負わず、いつもどおり鹿島が勝てるようにプレーしたいと思います」 そう言って試合への準備を進めていた。
対する東京Vは明治安田J1第3節・C大阪戦での敗戦を最後に、負けなしを9試合続けている。前節は磐田と対戦し、2点差を追いつかれる苦しい展開を強いられたが、後半アディショナルタイムに木村 勇大がゴールを奪い、劇的な形で今季初の連勝を遂げた。勝ち切れない試合が続いた中でのこの結果は、若いチームにとっては大きな支えとなる。順位も10位に上げ、ここからさらに勝点を伸ばしていきたいところだろう。
ただ、東京Vはいつものオーダーを組むことができない。木村に次ぐ4得点でチームをけん引する染野 唯月と、CBとして出場を続けてきた林 尚輝が、鹿島からの期限付き移籍中ということで、契約の関係上、この試合には出場できない。特に、染野は木村とともに攻撃の起点となっていただけに、何かしらの工夫が必要だ。
両チームには著しい台頭を見せる若手選手も多く在籍する。鹿島では前節で今季初先発を勝ち取った師岡 柊生に注目だ。ボールを持てて、サイドからも仕掛けられる背番号36はプロ初ゴールを虎視眈々と狙っている。東京VにもAFC U23アジア杯を優勝したU-23日本代表・山田 楓喜がおり、今節は代表活動後初めてピッチに立つと予想される。彼らがどんなプレーを見せるのかにも注目だ。
両者のリーグ戦通算対戦成績は鹿島の19勝1分14敗。最後の対戦だった2008年は、鹿島が2-0、4-1とシーズンダブルを達成。得点を決めたのは興梠 慎三、岩政 大樹、マルキーニョス、野沢 拓也という懐かしい顔ぶれだ。残念ながら当時を知る選手はもうどちらのチームにも在籍していない。この一戦から、新たな歴史が刻まれる。
[ 文:田中 滋 ]

