前節、アウェイでG大阪との上位対決に臨んだ神戸は、序盤から主導権を握って試合を進めた。ただ、何度も訪れた好機を得点に変えることはできず、70分と85分に失点。アディショナルタイムに武藤 嘉紀がPKを決めて追いすがったが1-2で敗れている。
直近の5試合で1勝1分3敗と勝点の積み上げ速度が停滞し、その間のゴール数が『3』と得点力不足に苦しんでいる状況にある。「おのおのがチームのベースを理解しながらプラスαはしないといけない立場にいま来ていると思う」と話した酒井 高徳は「1回、2回のチャンスに懸けるのは無謀だし、チャンスをいかに多く作るか。自分なら攻撃参加のポジショニング、クロスまでの持っていき方は意識していきたい」と続ける。継続と進化に対し、チームや選手個々が焦れずに向き合い続けることが大切になる。
今節は守備を統率してきたCB山川 哲史が累積警告のため出場停止。その不在は痛手となるが、山川は「ラインの管理とかもけっこう僕がやっているところはあった。そこは次出る選手に引き継ぎというか、『こうしたほうがいい』というのはしっかり伝えたい」と練習からコミュニケーションをとりたい考えを話す。代わって先発する可能性のある選手は複数人いるが、その1人は本多 勇喜。CBとSBを兼務し、先発・サブを問わず存在感を発揮している中、「いつもどおり、スタートでもサブでもしっかりと良い準備をしたい」と経験豊富なDFは悠然と準備を進める。
一方、J1昇格初年度ながら開幕以来の勢いに陰りを見せない首位の町田。前節は福岡との堅い守り合いの末にスコアレスドローとなったが、リーグ前半戦を首位で折り返すことに成功している。ここまで12勝3分4敗と堂々とした戦績を残し、得点31はリーグ3位、失点16も同じくリーグ3位と立派な数字を叩き出している。
チャン ミンギュや元神戸の安井 拓也らケガ人も続発しているが、攻守の切り替えの素早さ、セカンドボールの回収力、球際への執念など、狙いをやり切るチームスタイルは崩れることを知らない。後半戦もJ1の主役を張る、そんな意気込みをその戦いぶりから伝えている。
両者のぶつかり合いは、高強度の頂上決戦とも換言できるような対戦となる。神戸は大迫 勇也や前川 黛也、町田は谷 晃生やU-23日本代表の藤尾 翔太、平河 悠らが欠場した前回対戦の第8節は、プレスやロングフィードなどを駆使して相手コートで戦うことを信条とする両者が白熱の攻防を展開し、神戸が2-1で競り勝っている。この試合の67分から出場した本多は「(町田は)しっかりとプレスを掛けてくるし、そこで俺たちがビビっちゃいけない。球際も相当戦ってくるので、そこでも負けないようにしたい」と今節をにらむ。
昨季J1王者が食らいつくか、首位チームが突き放すか。至高の真っ向勝負にスタンドが熱く燃える水曜夜となりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
