約2カ月ぶりの対戦となる。昨季明治安田J2を制してJ1に昇格した町田が、昨季はJ2で3位となり、J1昇格プレーオフを勝ち上がって昇格した東京Vのホームに乗り込む。城福 浩監督体制での東京Vと、黒田 剛監督体制での町田による対戦成績(2023年以降)は、町田の2勝1分。とりわけ、前回対戦の印象が色濃く残る。
5月19日、町田のホームで行われた第15節は、5-0でホームチームが大勝。11分という早い時間にオウンゴールで先制すると、
藤尾 翔太が2得点、さらに
柴戸 海と
エリキにも得点が生まれる完勝劇だった。
「自分たちが変われるチャンス。一緒に変わろう」。城福監督は衝撃的な一戦を経て、選手に、コーチングスタッフにこう問いかけた。
分かりやすく、まずシステムの変更があった。4バックから3バックへ。築き上げてきた形から変更し、攻撃時にはウイングバックが上がり、守備時にはウイングバックが下がる「5FW、5DF」と指揮官が呼ぶ陣形で戦ってきた。
結果、その後は勝ち越し。今季はリーグ戦で一度も連敗することなく、立て直しが効いている。
普段の練習から、城福監督はそれぞれがより厳しく求め合うことを伝えている。選手主導で、至るところで話し合いの場が設けられ、コミュニケーションは深まっている。
そうした約2カ月での変化が、どう今節で表れるか。
「町田は最終ラインの奥にボールを入れてくる。ラインを下げ過ぎず、セカンドボールにもしっかり予測して対応したい」(
齋藤 功佑) 「CBの対人の守備、セカンドボール、カバーリングを丁寧にやっていくことが大事。ラインの上げ下げもこまめに調整したい」(
林 尚輝) 選手たちも、“対町田”のイメージはついている。
今季のリーグ戦、東京Vはホーム・味の素スタジアムで不敗を持続させている。その数、10試合。昇格組としては胸を張っていい結果に思える。ただ、城福監督が“満足”という2文字を表に出すことはない。
常にあるのは「もっとできる、もっとやらせてやれた、という思い」だ。
水曜日に行われた天皇杯3回戦では、湘南に0-1で敗れた。先発した
染野 唯月、
木村 勇大らが何度も好機を迎えたものの、決められず。逆にスキを見せた一瞬で、一発のミドルシュートに屈している。その反省も生かし、いまのチームの強みとなっている“アラートな守備”を続けて勝利をつかみ取りたい。
いま、前線で圧巻のハードワークを見せているのが、
山田 剛綺と
山見 大登という関西学院大出身の仲良しコンビだ。特に山見はリーグ戦2試合連続ゴール中。その勢いのまま、ライバルを倒せるか。
山田 楓喜は前節・C大阪戦での退場処分の影響で出場停止となるが、主将の
森田 晃樹が全体練習に合流済みで、その復帰戦となれば心強い。
対して町田は、前回対戦で再浮上してつかんだ首位の座をキープして、この対戦を迎えることになった。
パリ五輪に臨むU-23日本代表に選出された
平河 悠はブリストル・シティ(イングランド)へ期限付き移籍することとなりチームを離れているが、同代表の
藤尾 翔太はこの東京V戦まで出場できる。今季8ゴールを挙げているチームトップスコアラーは、五輪前最後の試合で結果を残そうと奮闘するはずだ。
リベンジか、返り討ちか。局面でのバトルが激しくなること請け合いの、注目の一戦である。
[ 文:田中 直希 ]