明暗を分けたレッドカード。京都が見せた逆転劇
京都サンガF.C.
監督
自分たちの距離感や関係性を作るトレーニングをしてきたんですが、前半は無駄にボールを下げて、一発のボールを狙って、相手に拾われる場面ばかりでした。相手ボランチや3バックの選手は、ほとんどプレッシャーを感じていなかったんじゃないでしょうか。そうなると相手が5枚、こちらは4枚しかいないので、有利になるのは相手に決まっています。なぜ前半から(そうならないような戦いを)やれなかったのか。(スタッフが選手に)やらせられなかったのか。われわれスタッフの持っていき方も含めて、反省しないといけません。選手もそういうつもりではないんでしょうが、最近のリーグ戦をうまく乗り切れていることや、10日前のシュトゥットガルト戦でキレイな形で得点できたことで「なんとなく、このへんでいいか」というような空気があったことは本当に反省しないといけません。 ハーフタイムには「俺たち、俳優みたいなプレーをしているぞ」みたいな揶揄することを言ったんですが、自分の技術やできることを見せてやろうとするのではなく、集団で攻めて集団で守るのがわれわれの戦いです。それなのに、そこがすごく貧弱な試合で「よく2失点で収まったな」と。結果的に、そこは幸運でした。 --前半は名古屋の前線で起点を作られ、何度も速攻を食らっていました。ボールを奪い切れないところが、前半はすべてでした。名古屋は中断期間で(分析して)われわれが勢いを持ってくるところの背中へ矢印を向けることを徹底してきました。「パスミスをしてもOK」くらいの感じで相手が入れてきたボールに対して、われわれは対処ができませんでした。頭上を越えてくるボールに対するセカンドボールへの反応が遅かったですし、前へ出ていくことも悪かったです。後半最初のプレーから変わりましたが、それをやれるのに(前半はできなかった)。選手には「今季で、こんなことは2回目はないよ。先に2点を取られて、3点を取り返すなんて」と言いました。運もあったし、もちろん喜びたい気持ちもあるけれど、監督としてはああいう前半を過ごさせてしまったことは非常に反省しなきゃいけません。勝って反省できるというのは、非常に良いことだなと思います。
名古屋グランパス
監督
退場で試合の流れがガラッと変わってしまいました。ただ、攻撃で勝ち切る力をつけていかないと上には行けません。2-0というスコアも非常に難しい状況になってしまったのかもしれませんが、1失点して少し浮き足立ってしまいました。その状況でシステムも[4-4-1]に変えましたが、セットプレーから2発やられてしまいました。そこはやらせなくても良い場面で、1人少ない状況で難しい対応にはなるとは思いますが、3点目もニアサイドでやられています。あそこでやらせない、気持ち的に少しフワフワしてしまったところを相手に持っていかれてしまった部分はあると思います。ああいう場面で、もっともっと強さをチームとして出していかないといけませんでした。 --退場者が出た時点のスコアや時間が難しかったと思うが、後半のゲームマネジメントはどういう考えだったのか?経験のある(ハ)チャンレを投入して、少し落ち着かせようとしました。クロス対応やセットプレーの強さという部分も、彼に期待していました。なかなか途中から入って、チーム全体を落ち着かせるところまではいかなかったのかなと思っています。そういう意味では難しい展開だったとは思いますが、あの2失点目はなんとか防げるシーンではあったと思うので、ああいう場面をチームとして防げるようになっていければ、タフなチームになっていくと思います。現状はああいう逆境の展開で声を出すような選手が、なかなかいない。今日も少しそういう展開になってしまい、そのあたりはいまのチームの課題だと思っています。
前からボールを奪いにいって、そうすると相手はロングボールを蹴ってくるので、競り合ったあとのボールを拾っていくこと、プレスバックし続けることは相当意識して試合へ入りました。あとは(原)大智とミサくん(三竿 雄斗)と連動していくことも意識しました。 数的有利になっても短いパスをつなぐだけではなく、京都らしく縦にどんどんボールをつけていこうとみんなで話していました。そういう意味では相手の背後やイヤがるエリアをたくさん使えたと思います。みんなでゴールへ向かっていく意識がすごく高かったし、そこが良かったです。 --守備が特長のチームから3得点を奪っての逆転勝利となったが。それは良かったんですが、前半の試合内容は京都らしくなかったです。選手間の距離が遠かったですし、自分たちのやりたいことを相手がやっていたなという印象でした。後手に回っていましたね。そこはすごく反省点ですし、次へ生かさないといけません。
名古屋グランパス
(1点目は)訪れたチャンスを逃さないように、常に臨んでいかなければいけないと思っていました。(2点目は)良いタイミングを待っていました。トゥーキックで決めようかとも思っていましたが、ああいうふうにボールが左足へ来てくれたので、うまく点を取ることができました。 --ゴール後のセレブレーションは、かつて所属したクラブが相手ということで行わなかったのか?京都のサポーターの皆さんにはすごくポジティブな気持ちがあります。ここで昨年の最終戦を戦ったときも、自分へポジティブなメッセージを送ってくれました。リスペクトという意味でもセレブレーションは避けました。でも、友人やチームメートとゴールは祝って、多くの名古屋サポーターの方々がスタジアムまで来てくれましたし、その人たちのためにもうれしいところは見せたつもりです。 --前半は得点以外でも、ポストプレーが非常に効いていた。起点を作ることはできたと思いますし、みんなで3点目を決めることができれば間違いなく今日の試合の結果は違ったと思います。残念ながら、それを決めることができない試合になってしまいました。 --ショッキングな敗戦となったが、これをどう次節へつなげていくか?前半はすごく良い試合を見せられていました。前半のようなスピリットで次の試合へ臨みたいです。中3日で次の試合がやってくるので、そこへ備えていきたいです。また、空中戦で相手にやられたことも改善しないといけないと思っています。
前半はやりたいことがやれて、得点も取って、試合を優位に進められました。相手のポジションの脇や外の数的優位を生かすことや、前線へ早くボールを入れたり、テンポのある攻撃ができたと思います。 --退場者が出たのが後半開始直後というのも難しかったのでは?こうなったからは耐えるしかないと、声はかけていました。難しい状況なのは、数が少ないので当たり前です。僕たちとしては、やり切るしかないという感じでした。2点差の状況をもっと長く続けていれば選手全員の「耐えられるぞ」というモチベーションもあったので、1失点目の時間帯が良くなかったなと感じています。 --失点して以降の戦い方について。なるべくリードしている状況で押し切る、その時間をなるべく長くすることが僕たちのやるべきことでした。あわよくば追加点を取ることができれば勝利をつかめたと思うので、もっとゴール前に絡むシーンを作りたかったです。
京都サンガF.C.
FW 9
マルコ トゥーリオ
前半は自分たちのミスなどにより2点を与えてしまい、非常に難しい試合になりました。でも、ハーフタイムで自分たちのやり方を取り戻して、なんとか勝ちまで持ってくることができました。ホームゲームでしっかり勝てたことは大きなことなのかなと思います。 --決勝点は自身にとってのJリーグ初得点でした。なかなか得点が入らなくて遅くなりましたが、その日は来ると思っていましたし、それが今日取れて勝ちにつながったのは大きいです。素直に喜びたいです。何より自分の得点よりもチームが勝ったこと、チームのみんなで勝利へ持ってこられたこと、しかも0-2から逆転できたことが大きかったです。サンガに関わる人すべての力をもって、逆転まで持ってこられた試合でした。自分のゴールは、その中の1つです。 --ようやく決まった初ゴール。ここまでの思いは?なかなかゴールが取れないことで、自分の中でも苦しいなと思ったり、つらい時期はありましたが、自分としては「この瞬間が必ず来る」と思いながらずっと取り組んできましたし、自分への自信もありました。そして、今日は自分のお母さんの誕生日だったので「絶対に得点を取るんだ!」と思っていました。試合後にロッカールームで電話をしましたが、お母さんもすごく喜んでくれました。「このゴールはお母さんのためだよ」と伝えたら、涙を流していました。今日がそういう日になって良かったです。
FW 14
原 大智
前半はチャンスをほぼ作れず、チーム全体が迷っているような状況だったと思います。言葉にするのは難しいんですが、(パスを)受けるタイミングだったり、場所だったり……。連動できていないし、一人ひとりが孤立した動きになってしまいました。後半は思い切りが良くなったというか、みんな大胆に動いていました。チームとしても、まず裏を狙いました。前半はほとんど相手コートでプレーできていなかったので、(パスやフィードが)大きくてもいいからダイナミックにプレーしようと、後半に入りました。相手が退場したのも大きかったと思います。 --退場が発生した場面も背後を狙ったプレーから生まれています。平戸(太貴)選手が良いところを見てくれていました。ああいう形もチャンスになると思って試合前から話していたので、良かったです。 --後半は数的優位の中、ご自身が意識したことは?焦り過ぎないというか、名古屋は10人でもけっこう守れるチームです。とにかくボールを受けて、どんどん動いていくことを意識しました。相手が1人少ない状況を利用して、みんなセカンドボールを拾ったり、後ろの選手もすごく良い準備をしてくれたので、たくさん攻撃ができたのかなと思います。(自身が決めた同点ゴールは)平戸選手は良いキックを持っているので、信じて走って合わせるだけでした。 --2点差から逆転したのは曺 貴裁監督の下では初めて。後半のスタジアムの雰囲気はすごかったが?そうですね、退場した時点でボルテージが上がっていました。しっかり(チャンスで)決め切れたというか、勝ち切れたのは自分たちの実力であり、ファン・サポーターの皆さまのおかげでもあるなと思います。
MF 18
松田 天馬