“福岡のプリンス”こと
金森 健志も30歳となり、チームをけん引する立場となったが、その彼が「互いに新しいスタイルなので面白くなる」と口にしたカード。福岡は金 明輝新監督、柏はリカルド ロドリゲス新監督を迎え、昨季までとは異なるスタイルでこの一戦への準備を進めてきた。
金 明輝監督率いる福岡は、長谷部 茂利前監督体制の5年間で確固たるものとしてきた堅守をベースとする安定感のあるチームから、堅守を維持しながらも上位争いに加わるための得点力も備えるチームへと変化するための補強を実施。特に攻撃に力強さと変化をもたらすだろう中盤の選手たちが目を引く。
昨季東京Vの躍進を支えた
見木 友哉に、金 明輝監督が昨季までヘッドコーチを務めていた町田からサイドでのドリブル突破でチャンスメークができる
藤本 一輝を、鹿島からは昨季の明治安田J1で2位タイの9アシストを記録した
名古 新太郎を獲得し、得点力向上が期待できる戦力構成となった。また、DFには横浜FMから
上島 拓巳、広島から
志知 孝明を加え、堅守維持にもしっかり備えている。
能動的な守備と、素早くかつマンパワーをかけた迫力のある攻撃の実践を目指し、昨季を上回るプレー強度を求める金 明輝監督の下、見た目に分かるほどスピーディーかつパワフルな攻守へと変化する中でこの開幕戦を迎える。「いまできる万全の状態」と自信をにじませながら、「(新スタイル実践に向けた)ここまでの取り組みに自信を持つためにも開幕戦は勝利が大事」と言う金 明輝監督は、柏の「勢い」を警戒している。
柏はかつて徳島や浦和で指揮を執り、攻撃的なチーム作りに定評があるリカルド ロドリゲス監督の就任により、昨季までの堅守速攻から、ボールを保持しながら前進を繰り返してゲームの主導権を奪いに出る能動的、攻撃的なスタイルへの変化を目指す。
2月9日に行われたプレシーズン恒例の『ちばぎんカップ』では、千葉に3-0で勝利。
原川 力、
久保 藤次郎、
小泉 佳穂ら新加入選手が先発出場し、チームへの浸透度を高めた上で、攻撃的なスタイルへの変化を複数得点という形で表現。守備陣では同じく新戦力のGK
小島 亨介、
原田 亘、
杉岡 大暉が先発に入って無失点に貢献と、攻守で自信と勢いを持って福岡の地へ乗り込む。
そんな柏を迎える福岡の金 明輝監督は「相手は勢いを持って入ってくるだろうが、こちらはそれをうまく利用しながら良い対応ができれば。球際の争いは厳しいものになるだろうが、一歩も引くつもりはない。ボールが後ろにこぼれるのではなく、前にこぼすような球際の戦いをして、しっかり勝ち切りたい」とコメント。自身の福岡での初陣、新生チームのスタートをなんとしても勝利で飾りたいという強い意欲を素直に言葉で表した。
昨季のリーグ戦での同カードは、福岡が2-0と2-1のスコアで2勝を収めた。ベスト電器スタジアムで行われた2戦目のJ1第35節、福岡は
金森 健志のゴールで先制している。この開幕戦で新スタイルをぶつけ合って勝利を手にするのは福岡か、それとも柏か。
[ 文:島田 徹 ]