浦和が6試合、横浜FMが公式戦7試合を戦う過密日程の4月。スタートダッシュに失敗して苦しんできた両者だったが、徐々に差が開きつつある。
横浜FMが浮上できない要因の1つとして、試合数を挙げないわけにはいかないだろう。AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)と明治安田J1を合わせて、今季の公式戦はいきなりの7連戦。昨季も多くの試合数をこなしている。
横浜FMは現在も7連戦の最中。今節の浦和戦のあとにはACLE準々決勝のアル・ナスル(サウジアラビア)戦も控えており、踏ん張りどころだ。
しかし状況はよろしくない。リーグ戦は6試合勝利から遠ざかり、3月16日の第6節・G大阪戦が最後にして唯一の勝利となっている。直近の第12節・清水戦は後半開始早々までに2点のリードを奪いながらも、逆転負け。試合終了後にはピッチで涙する選手もいた。
スティーブ ホーランド監督は「前半は素晴らしかった。練習でやってきたことを表現して多くのチャンスを作り、ゲームをコントロールした」とチームを称えたが、交代カードを余したまま逆転を許す展開。今節も連戦で準備期間が少ない現実を前に、いかに立て直して試合に臨むか、手腕が問われる。
前半のプレーには選手たちも手ごたえを得ているようだ。2点目を挙げた
植中 朝日は「前半のように自分たちの色を出せば、また面白いサッカーになる感覚も少しつかめた。全然勝ちがなくて、ネガティブなことばかりを考えがちだけど、良いところを見つけて切り替えてやるしかない」と前を向いた。
一方のホーム・浦和は、今節が4連戦(次節が中4日なので連戦と言えなくもない)の3試合目。横浜FMと比較すれば総試合数でも余裕があり、直近の試合を中2日で戦っているぶん、中3日となる今節は心身ともに比較的余裕を持って臨めるだろう。
ただ、連勝中の2試合をまったく同じメンバーで戦ったため、蓄積疲労の心配はある。手ごたえを得始めているだけにあまり手を加えたくはないはずで、
渡邊 凌磨、
金子 拓郎を比較的早めに交代させたのはそのためでもあるだろう。ここも同じメンバーで臨むのか、少し修正を施すのか、マチェイ スコルジャ監督のメンバー選考も注目される。
一時期の停滞感を脱し、好調期に入ってきた浦和。その立役者の1人となっているのが
松尾 佑介だ。攻守に持ち前のスピードを遺憾なく発揮し、守っては的確にプレッシャーを掛け、攻めては背後を突いて相手を間延びさせる。チャンスと見れば独力で仕掛けるが、状況を見てスローダウンも選択する。
1トップに移動したことで、文字どおりチームの先鋒として機能している
松尾 佑介。マチェイ スコルジャ監督ら首脳陣もその能力を高く評価してきただけに、彼だけは連戦でも替える選択肢はないだろう。本人も3試合連続ゴールを狙いつつ「ホームの試合は1戦も落としたくない」と意気込む。
[ 文:沖永 雄一郎 ]