今節最大の注目カードだ。昨季まで川崎Fを率いて7つのタイトルをもたらした鬼木 達監督。今季から率いる鹿島では明治安田J1第5節終了後に首位に立つと、第8節・広島戦から3連敗を喫したものの、そこから5連勝に導いて首位に返り咲いている。そして、今節は古巣である川崎Fを国立競技場で迎え撃つ。どちらのチームにとっても最も意識する相手との今季初対戦は、多くの耳目を集めるだろう。
福岡とのアウェイゲームに臨んだ前節、鹿島は前半から良い流れをつかむ。
田川 亨介が前半のうちに負傷で退くアクシデントはあったものの、代わりに出場した
レオ セアラがPKを奪取すると、自らキッカーを務め、J1得点ランキングで単独首位に立つ今季9点目を決めて先制。追加点こそ奪えなかったものの、福岡の反撃を許さず、4試合連続の無失点勝利を挙げている。中2日の苦しいアウェイゲームであったが、
小池 龍太が先発に復帰し、
樋口 雄太もベンチに戻ってきた。良い流れで川崎Fとの試合に臨むことができるだろう。
AFCチャンピオンズリーグエリートファイナルズ出場のためサウジアラビアに渡っていた川崎Fは、5日の午後に帰国。準々決勝でアル・サッド(カタール)との死闘を延長戦の末に制し、クラブ初のアジア4強入りを成し遂げただけでなく、準決勝ではクリスティアーノ ロナウドを擁するアル・ナスル(サウジアラビア)を3-2で退けて決勝進出を果たした。しかし、アル・アハリ・サウジ(サウジアラビア)の攻撃力に屈し、0-2で敗れて涙を呑んだ。再びあの舞台に立つためにも、目指すのはリーグタイトル。再び“Jの頂点”へ、まずは5月末までに6試合を戦う過密日程からのスタートだ。リーグ再開初戦で勝利を収め、勢いをつけたいところだろう。
鹿島は、自陣からボールをつなぎながら相手ゴールを目指す形で、“像を結ぶ”回数を少しずつ増やしてきた。前節のPKを奪った場面も、
鈴木 優磨と
安西 幸輝の美しい崩しに
レオ セアラが呼応したことから生まれている。守備も安定しており、ここまで積み重ねてきたものが川崎F相手にどこまで通用するのか、全力でぶつけにいくことになるだろう。川崎Fとしても今季から指揮を執る長谷部 茂利監督の下で守備を安定させており、失点数は鹿島と同じ『11』。ただ、川崎Fのほうが消化試合数が3つ少ないため、鹿島のほうが守備を安定させているとも言える。ただ、得点数は鹿島が『24』に対して川崎Fは『19』。こちらも3試合少ないことを踏まえると、
マルシーニョや
エリソンが見せる鋭い攻撃は、鹿島の
レオ セアラに引けを取っていない。
鬼木 達監督は「お互いに満身創痍ではあると思いますけど、注目のあるゲームですし、非常に楽しみです」と話す。お互いの意地がぶつかり合う激しい試合が期待できそうだ。
[ 文:田中 滋 ]