立ちはだかった清水の守護神。浦和は“残り60分”でペースを握るも……
清水エスパルス
監督
本当に、選手たちはよく戦ってくれました。このアイスタまで17,000人以上のサポーター・ファミリーが駆けつけてくれたことにも感謝しています。 結果的には、評価に値するゲームだったのかもしれませんが、監督としては非常に葛藤する、ジレンマを感じるゲームでした。たしかに無失点は続けられていますが、われわれのやってきたフットボールはもっと下がらず、前から圧力を掛けていくものであって、全体をコンパクトにして、攻守に前から行くのがわれわれの目指す姿です。このような姿と相反するゲームがこの数試合続いており、歯痒く感じています。 たしかにゴール前まで引いて、亀のように閉じこもって守り抜けば、無失点で抑えるゲームもできると思います。ただ、前に出ていくパワーもなければ、奪ったとしてもゴールからの距離が遠くなり、ホームにもかかわらずシュートチャンスが作れない。もっと言えば、「そこさえかわせればチャンスにつなげられるのに」と思うシーンでつぶされてしまう。力強さ、判断力、個の力によるものも、守備にパワーを使わされて、大事なところで力が残っていないという原因もあると思います。 われわれが将来も残留を目指す、中位くらいにいるクラブを目指すのであれば、このようなフットボールでも構いません。ただ、僕が監督として目指しているのは、3位以内やACLを狙っていき、いずれチャンピオンになるクラブです。そのつもりで、J2からフットボールを積み上げてきました。 たしかに結果としては無失点が続いていて、ゼロで抑える素晴らしい成果を上げている。でも、実際は複数得点がしばらくなくて、シュート数も(J1第27節・福岡戦から)常に1ケタ台。トップ3やチャンピオンになるのなら、このようなフットボールは望んでいませんし、J2でもこのようなフットボールはしてきませんでした。 次の神戸戦までは中3日しかなくて、十分なトレーニングができる条件ではありませんが、コーチングスタッフと話をしながら、選手と意見交換をしながら、未来のある、チャンピオンを目指すにふさわしいフットボールをなんとか展開できるように、折り合いをつけながらやっていきたいと思います。 --前半の終盤からは徐々に押し込まれる時間帯が増えてハーフタイムに入った。ハーフタイムにはどのような指示を?もう一度前から行くことと、勇気を持って全体をコンパクトにしながら、縦ズレ横ズレをしながら、前から行かなければならないと伝えました。たしかに後ろで1枚余っていたらゴール前で守るときにラクではありますが、そのような状況で前からプレッシングを掛けるのは難しいです。ましてや、相手はGKを含めたら数的優位の状況なのに、後ろに選手を余らせていて、プレッシングがハマるわけがありません。そこはもう一度選手たちに植えつけていきます。 もちろん、90分間すべての時間帯で前から行くことは難しいですし、引く場面との使い分けもしますが、ホームであれだけ押し込まれる時間帯が増えるのは望んでいる姿ではありません。もっともっと高みを目指すことを考えて、強者のフットボールができるようにやっていきたいと思っています。 --押し込まれる時間帯が続くのは今日に限った話ではなく、続いている課題だと思います。複数の要因があるとは推察しますが、今日の浦和相手では落とし込みを実行するにあたり、具体的に何が不足していたとお考えでしょうか?どの試合にも共通して、勇気を持って同数でも行かなければなりません。たしかに3バックという名の5バックになれば、相手の攻撃陣に対して数的優位を作れるシーンが多いですが、そのままだったらいつまで経っても前からのプレッシャーは掛かりません。どのように前からハメにいくのかはトレーニングからやっていることではあるのですが、残念ながら今日はディフェンシブサードのシーンばかりになってしまい、トレーニングでやっているようなプレッシングはほとんど掛けられませんでした。勇気を持って、トレーニングでやっていることをやらなければなりません。 もちろん、選手心理としては「十分守れているでしょ」という気持ちになるのも分かります。ただ、そうなってはわれわれの“超攻撃的・超アグレッシブ”なフットボールは見せられません。それは守備でも攻撃的に振る舞うからこその言葉だと思います。 なんとか虎の子の1点を守りましょうというフットボールは望んでいません。もう一度勇気を持って、どのようにわれわれらしいフットボールをするのか。強者のフットボールをやるからこそ、個人としてもチームとしても成長すると思っていますし、これではただただ殴られ続けて、成長の角度も速度も上がっていきません。選手と話をしながら落としどころを見つけて、われわれらしく戦いたいなと思います。
--チームとしては、徐々に押し込まれ始めた中でハーフタイムに入りましたが、矢島選手は後半開始からピッチに立ちました。直近の数試合でも見られたように、前半の終盤と同様に後半も押し込まれる時間帯が続いてしまいましたが、どのようなことを感じていらっしゃいますか?押し込まれているからこそ、後ろで割り切って守れていることがいまの無失点につながっていると思っています。ただ、そこからどのように前に出ていくか、どう押し返すかについては、奪ったあとで相手陣内に行ったときにやり切ってしまうのも1つの解決策ですが、時間を作るプレーも必要だと思います。今日で言えば、時間を作りたかったですが、うまく相手に引っかけられて、自分たちのゴール前まで持ってこられてしまう場面が多かったです。 前半に関しては良い奪い方をしたあとで、(松崎)快が落ち着かせる場面があったじゃないですか。俺はあのような判断が全体でもっと出てきていいと思っています。多分、快も逆サイドが空いているのは見えていたと思うんですよ。ただ、そこでチャンスだと思って前に行くけど、奪われて再び押し込まれてしまうと、せっかく奪ったのに守備の繰り返しになる。結果論ではありますけど、見えている上での止める判断なら、俺はすごく良いプレーだと思って見ていました。後半はもっとオープンな展開が続くとは思っていたので、そのようなプレーが必要だったと思います。 例えば、夏場はターンしたときに全部前に行くシーンが多かった。それが点になればいいんですけど、点になる確率って高くないので。カウンターに行くのは大事なんですけど、そこの判断は必要かなと思います。
浦和レッズ
FW 99
--スタートからポストプレーや守備などで存在感がありましたが、フィニッシュの結果だけがついてきませんでした。おっしゃるとおりだと思います。チームとしては非常に良い要素がたくさんありました。たくさんのチャンスも作れていたと思います。サッカーでは(シュートが)入るときも、入らないときもあるものです。極端な話、時には目を瞑ってもシュートが入るような日もありますし、今日のようにまったくもって入らない試合もあります。 いまやるべきことをしっかりと続け、練習を継続して、入ることを信じて、今日のような試合を続けることだと思います。そうすれば確率を高めることができますし、自然とゴールも生まれてくるはずです。今日の結果は残念でしたが、続けるべきだと思います。 --2列目は流動的でしたが、自身は最前線にステイして深みを取り、相手DFを押し下げる役割を担っていました。それが僕の役割だと思います。監督も僕のやり方や質を理解してくれていますし、このチームには質の高い選手がたくさんいます。僕は彼らにスペースを与えて、ボールを供給することができると思っていますし、そのためには僕がしっかりと最前線で戦わなければなりません。 --周囲からのボールが自分のタイミングと合ってきている感覚も得られていますか?ストライカーとして常にボールは欲しいものですが、そこはバランスだと思います。もちろん、味方は僕のことを探して、今日に関して言えば、オギ(荻原 拓也)が良いシーンを作ってくれました。入ったかと思ったのですが、残念ながら仕留められませんでした。それでも、このような場面は継続する必要があると思います。クロスだったり、ショートパスをつないだり、われわれにはたくさんのオプションがあるので、その数を増やしていきたいです。
浦和レッズ
監督
前半について、立ち上がりはハイプレスがうまくハマりませんでした。要因は2つあります。1つはわれわれのハイプレスの強度が十分ではなかったこと。もう1つは相手のボランチが最終ラインまで落ちたとき、そこに対応できていなかったことです。われわれはこのようなミスを犯し、前半は相手にいくつかのチャンスを作られてしまいました。ただ、修正を行ったあとはゲームコントロールができるようになったと思います。時間の経過とともに、相手コートでボールを持つ時間も長くなり、相手にとって危険な存在になっていました。 ハーフタイムには選手のポジションを動かし、(渡邊)凌磨をトップ下のポジションに置きました。後半は選手たちも戦術的なルールをしっかりと実行し、良いゲームをしてくれたと思います。強度も十分高かったと思いますし、ボールを失った際の切り替えも、イサーク(キーセ テリン)をはじめ、数多くの選手ができていました。また、交代で入った選手も、全員がパワーを与えてくれました。 ここまで、今日の試合は非常に良かったという話をしていますが、良い結果にはつながりませんでした。なぜなら、決定力が不足していたからです。本日の試合では、今季で最も多くの決定機を作りながら、得点を奪うことはできませんでした。ゴール期待値が3.9を超えたのは初めてだと思います。それほどまでにチャンスを作っていたのに、良い結果につながらなかったことは残念です。シーズンの結果が決まってくるこの大事な時期に、簡単なミスをしてしまったり、チャンスを仕留め損なったりして勝点を取りこぼしているのは非常に残念なことです。 --後半の展開を考えると、前半の攻撃のクリエイト数が少なかったことがもったいなかったと感じます。前半のうちから選手交代に動きたかったのか、それとも前半は状況を見てハーフタイムに動くつもりだったのでしょうか?試合前からスタッフとは、全体の立ち位置の話はしていました。前半はわれわれのハイプレスに問題があって、左サイドのウイングが押し込まれる状況でした。ただ、押し込まれた中でもタカ(関根 貴大)はよく守っていたと思います。ただ、そのような状況を見て、ハーフタイムにポジションを入れ替えました。 --ゾーン3でのチャンスクリエイトの面で改善点が見られましたが、ゴールを決め切るための“あと一歩”を改善するためには、何を改善していきたいですか?もちろん、練習で公式戦のようなプレッシャーを再現することはできないので、まったく同じ状況を作り出すことは難しいですが、決定力が足りないということは、そこをもっと練習しなければならないということだと思います。今日の試合では、ここまでチャンスを作りながら決め切れませんでした。前節の鹿島戦でもゴール期待値が1.6ありながら、得点を取れなかった事実があります。選手は一生懸命勝とうとしており、そのような心理面が自らにプレッシャーを掛けてしまっているのかもしれません。ただ、私はそれを言い訳にしたくありませんし、勝つための力は十分このチームにあると思っています。
清水エスパルス
GK 16
梅田 透吾
--ペナルティーエリア内からのシュートに対するセーブ率がリーグ1位みたいです(前節終了時点で84.0%)。ありがとうございます、という感じですね(笑)。自分の力というよりも、DF陣が体を張ってくれているので、コースが狭まっている中で集中しているだけだと思っています。 --3試合連続のクリーンシート。より落ち着きも出てきましたか?出ていると思います。今年最初に出たルヴァンカップの2試合は、正直に言って試合に入れていないと自分でも分かっていましたし、ケガ明けで多少の緊張感もありました。それを経ての天皇杯で、そこからの流れでリーグ戦にも出続けていますが、素直に試合に入れている印象ですし、緊張感もあまり感じていないです。自分の中でリラックスしている部分もあるので、そこは崩さず、なおかつチームの結果にもっと良い影響を与えられるようにレベルアップしていくことが大事だと思います。 --ビッグセーブが目立っていましたが、自分の守備範囲内にシュートを飛ばさせる工夫もあったように感じます。それはどちらかというと、DFの人たちが意識してくれているんだと思いますよ。僕の目線だと、試合中のコーチングも意識していますが、練習のときからすり合わせた結果ですね。例えば、DFの選手に「そんなに頑張らなくていいよ」と伝えたことで、頑張らないほうがコースが限定できるシーンもあります。流れの中からの失点は(J1第26節・)マリノス戦以来ないと思うので、フィールドの選手がみんな集中しておのおのの役割をまっとうしてくれているのでありがたいです。 もちろん、イレギュラーでコースが空いてしまうこともあるのですが、そこは唯一の僕の仕事です。そこはできているのかなと思います。
DF 66
住吉 ジェラニレショーン
--3試合連続クリーンシートは最終ラインの選手としてポジティブに捉えていますか?危ないシーンもいくつかありましたが、そこを乗り越えられた試合が3試合あって、今日は勝てませんでしたが、守備面についてはみんなで体を張って守ることができたと思います。 --前半の30分間はチームとして浦和のビルドアップに制限をかけ、前から行くシーンが目立っていました。住吉選手も右サイドで前向きな守備を見せ、攻撃参加も目立っていましたね。秋葉さん(秋葉 忠宏監督)のサッカーは前でボールを奪うことを掲げているので、3バックをやっている以上は、前への縦スライドに関しては必要不可欠な仕事です。SBのような立ち位置になって、そこから奪ってカウンターにつなげることは広島時代からやっていましたし、秋葉さんにもそこは求められています。自分はどちらかというとフリーランで前に出ていくような選手ではないのですが、チームのやり方的に必要ならばやらなければなりませんし、チャンスにつながりそうな場面で攻撃に参加することは心がけていました。 --後半も前半の序盤のような展開ができれば理想的でしたが、終始押し込まれてしまいました。チームとしては、後半は点を取るために前から行きたいと思ってはいました。ただ、相手もそこを予測して、対応するポジショニングを取ってきました。結果として、なかなかボールを奪えず、持たれる時間が続いてしまいました。もっと前から奪いにいきたいと思ってはいるのですが、チームとしてどこで取りにいくのか、ピッチ内の選手全員で完璧な共通認識がとれていたかと問われると、そうではなかったと思います。そこを試合中に、どのように臨機応変に対応していくかで、この状況を変えられると思います。 自分のサイドについては、相手は左サイドに力のある選手が多くて、結果的に人数が多くなっていました。そこでボールを奪えずにストレスを感じてしまうと崩れてしまう。そのような時間帯だと割り切っていましたが、だとしても、(J1第28節・)鹿島戦のようにずっと攻められて、後ろに重かったことは反省点です。