いよいよ明治安田J1百年構想リーグも地域リーグラウンド最終節を迎える。開幕から積み上げてきたものを出し切り、集大成を見せたい一戦だ。
初のJ1昇格を果たした水戸にとって、この百年構想リーグは2026/27シーズンに向けてたくさんのことを学べた大会となった。開幕戦では東京Vの強度の高さに圧倒され、“J1基準”を体感。その試合で感じた“基準”を日々のトレーニングから意識するようになり、着実にチーム力を高めていった結果、どのチームが相手でも互角の戦いに持ち込めるように。そして、第7節・横浜FM戦で初の90分勝利を挙げ、チームとして大きな自信を手に入れた。
しかし、地域リーグラウンド後半戦に突入してからは相手の研究が進んで対策を練られるようになると、なかなか持ち味を発揮できない試合が続いた。さらに強度の高い試合を繰り返すことによって、J2時代よりもフィジカル的な疲弊が激しく、ケガ人が増加。そして第15節・鹿島戦、前々節・浦和戦では早い時間帯に退場者を出したこともあり、大敗を喫した。連敗を止めようと挑んだ前節・東京V戦ではボールを保持しながらも、東京Vのタイトな守備をこじ開けることができず、0-1で敗戦。今季初となる90分負けでの3連敗を記録してしまった。この苦しい状況を抜け出し、再び上向いていくことができるか。チーム力が問われる戦いとなる。
特に課題として浮き彫りになっているのが、「ゴールに向かう迫力を出せていない」(樹森 大介監督)こと。前節もボールを保持して押し込みはしたものの、ゴール前に進入する回数は少なく、東京Vゴールを脅かすことができなかった。今週のトレーニングで樹森 大介監督は選手たちに「水戸はペナルティーエリア外からのゴールがない」ことを伝え、より強くシュートへの意識を持つことを求めた。試合を重ねるごとに相手の守備を揺さぶりながら攻撃を展開する回数は増えている。問われているのは、ゴールから逆算した攻撃をいかに増やせるか。よりどん欲にゴールに向かう姿勢を見せ、閉塞した状況を打破して地域リーグラウンドを終えたい。
川崎Fとしてもさまざまな経験をした大会だったことだろう。長谷部 茂利監督が求める守備組織の構築と、川崎Fがもともと持ち合わせていた攻撃の融合を目指しながら、試行錯誤を繰り返してきた。前節・町田戦は終盤に追いつき、PK戦で勝利。試合を通して、狙いとする守備を行いながら多彩な攻撃を仕掛けることができており、チームとして目指す形を出せていた印象が強い。だからこそ、今節はさらに攻守の質を高めて、90分勝利をつかみ取りたいところだ。
前回対戦では水戸が前半で2点を先行したが、川崎Fが後半終盤に2ゴールを挙げて追いつき、PK戦の末に川崎Fが勝利。内容としても、川崎Fがボールを保持して、“らしい”戦いを繰り広げることができていた。今節も前回対戦と同様に攻守で水戸を上回れるか。
[ 文:佐藤 拓也 ]