明治安田J1第10節。メルカリスタジアムで相まみえるのは、ホームで迎え撃つ鹿島と、アウェイ連戦となる長崎だ。シーズン序盤戦のすう勢を占う節目の第10節において、両者にとって今後の戦いに向けたはずみをつける意味でも、極めて重要な90分となる。
アウェイに乗り込む長崎は、前節・千葉戦で驚異的な粘り強さを示した。立ち上がりの5分にセットプレーから先制を許し、その後も相手のタイトな守備を崩せない我慢の展開を強いられた。それでも集中力を切らさずに試合を進めると、迎えた後半アディショナルタイムの90+5分についに試合を動かす。ペナルティーエリア手前右から山口 蛍が正確なクロスを供給すると、後半頭からピッチに入っていた保田 堅心が頭で合わせて劇的な同点ゴールを奪取。土壇場で1-1のドローに持ち込み、アウェイから貴重な勝点1を持ち帰った。
チームを率いる高木 琢也監督は勝点1について、「満足ではないですが、チームが1つになって戦ってくれた結果だというふうに思っています」と、アウェイまで足を運んで最後までチームを後押ししたサポーターを含めて、一丸となって戦って得た結果と捉えていた。最後の最後まで試合をあきらめず、ワンチャンスをモノにする勝負強さは今後も大きな武器となる。特に、最前線で起点となるチアゴ サンタナや、今回古巣との初対戦を迎えるディエゴ ピトゥカのパフォーマンスには注目が集まる。ベンチを含めた総力戦で、鹿島の堅固な守備ブロックを突破したい。

古巣対決に臨むディエゴ・ピトゥカのパフォーマンスに注目(写真は2026/27 ルヴァンカップ2回戦・鳥取戦)
AFCチャンピオンズリーグElite 2026/27(ACL Elite)を戦う鹿島は、ベトナムでの一戦から中3日でこの試合を迎える。日中には30℃を超える気温だったハノイから一転、10℃ほど下がった環境で戦うことになるだろう。そうした環境の変化や移動の負荷を含め、試合への準備をどれだけ詰められるかがサッカー面にも大きな影響を及ぼす。
また、前節・G大阪戦では、安定した守備を軸に今季二度目の完封勝利を手にすることができた。それは、ACL Eliteリーグステージ第2節・コンアン・ハノイ(ベトナム)戦でも継続され、大会が変わっても無失点で勝利を収めて日本に戻ってきた。現在の6位から上位進出を狙うためにも、安定して勝点を積み重ねることは不可欠。メンバーの入れ替わりがあったとしても、ようやく改善され始めた守備を継続したい。

公式戦2戦連続で完封勝利を挙げている鹿島。今節も良い守備を継続したい
鹿島にとってはホームゲームながら、タフな連戦での試合となる。長崎にとっても前節に続いてのアウェイゲームは簡単ではないだろう。そうした選手たちを後押しするサポーターの声援は、どちらのチームにとっても心強いはずだ。上位進出への確かな足がかりとなる勝点3を手にするのはどちらのチームだろうか。
[ 文:田中 滋 ]