町田が5発大勝。“急きょ先発”の西村が圧巻ハット!
明治安田J1第11節はミッドウィーク開催のナイトゲーム。IAIスタジアム日本平では、10位の清水と、2位の町田が対戦した。
清水は終盤の2失点でドローに持ち込まれ、リーグ戦4連勝を逃した前節のG大阪戦から、スターティングメンバー2名を変更。嶋本 悠大に加え、リーグ戦では今季初先発となるカピシャーバが名を連ねた。
一方の町田は3-0と快勝した前節の福岡戦と同じ11名をチョイスしたものの、ウォーミングアップの中でテテ イェンギにアクシデントが発生。急きょ西村 拓真が先発し、結果的には1名の変更となった。
いい試合の入りを見せたのはホームチームだった。3分に弓場 将輝が放ったミドルシュートを筆頭に、カピシャーバやオ セフンらがゴールを脅かす。しかし、GK谷 晃生の守るゴールをこじ開けるには至らない。
以降は、両チーム、各所で球際での激しいバトルを繰り広げるが、時間の経過とともに、町田のギアが上がり始める。ネタ ラヴィが中心に立ってボールを動かすシーンを作っていくと、35分に均衡が破れた。
FKのこぼれ球を回収し、左サイドから相馬 勇紀がクロスを供給。ここは相手のブロックに阻まれたものの、ペナルティーエリア手前の位置でセカンドボールを拾ったネタ ラヴィが右足を振り抜く。まるでレーザービームのような一撃が突き刺さり、町田が先手を取った。
終盤の42分には、本多 勇喜と入れ替わった西村 拓真に決定機が到来したものの、シュートはGK梅田 透吾に阻まれる。前半は町田の1点リードで終了した。
後半に入って立ち上がりの50分、町田が大きな追加点を手にする。自陣左サイドの深い位置でからボールを奪ったが、西村 拓真とのワンツーで一気に敵陣のスペースまで出ていく。相手最終ラインの手前までボールを持ち運び、スルーパスを送ると、動き直して背後のスペースを狙っていたが、右足でシュートを沈めた。勢いに乗る町田は、立て続けに小川 航基が際どいシュートシーンを作るなど、攻勢を強めていく。62分には、清水最終ラインの背後で、相馬 勇紀からスローインのボールを呼び込んだ西村 拓真が、冷静にGK梅田 透吾との1対1を仕留める。町田がトドメの3点目を奪った。直後の63分には、松崎 快がこの日二度目の警告を受けて退場処分となり、清水は10人での戦いを余儀なくされる。町田は終盤に入っても攻撃の手を緩めない。77分には、CKの流れから、ボックス内でセカンドボールに反応した西村 拓真が、自身この日2点目となる右足シュートを突き刺す。さらに82分、ゴール前のこぼれ球に反応した西村 拓真が右足でネットを揺らし、ハットトリックを達成した。試合はこのままタイムアップ。町田はIAIスタジアム日本平での公式戦4戦目にして、記念すべき初白星。リーグ戦では今季最多タイとなる5得点と今季最長タイとなる3連勝を記録した。一方の清水は直近のホーム2連戦を未勝利で終えただけでなく、吉田 孝行監督の就任後最多失点を喫しての完敗となった。[ 文:榊原 拓海 ]
FC町田ゼルビア
--自身の素晴らしいゴールを皮切りに、ゴールラッシュで勝利を飾りました。過密スケジュールの影響か、試合の入りは少し疲れが見えていました。ただ、自分のゴールが決まってからはチームとしての勢いが出て、とても良い形で進めることができました。自分たちのスタイルを取り戻せたと思います。ゴールシーンに関しては、立ち上がりに谷 晃生の良いセービングがあったからこそです。あのセービングがあったからこそ、チーム全体としての良い流れになったのだと思います。シュートに関しても、抑えの利いた良いシュートを打つことができました。 --また中2日で次は上位の神戸とアウェイで対戦します。強豪クラブとのアウェイゲームですし、われわれにとっては、非常に重要な一戦ですが、それは相手にとっても同じかもしれません。ただ戦う準備はもうできています。難しいゲームになるかと思いますが、全力を尽くすことを約束しますよ。
--急きょスタメン出場することになりました。どのような気持ちで臨まれていたのでしょうか?正直、十分なウォーミングアップができていなかったので少し不安もありました。ただ、現状を受け入れるしかありませんし、いまさら焦っても良くなるわけではないので、いまの自分の状態でどれだけやれるかということに集中していました。 --自身の1点目は相馬 勇紀選手のスローインからでした。あの瞬間は相手の集中力が切れていたことを感じていたのでしょうか?勇紀は普段からああいう形を狙ってくれていますし、前半にも一度似たような場面がありました。これまでの積み重ねが出た結果だと思います。 --その後のシュートも非常に冷静に見えました。GKの動きは見えていたのでしょうか?そうですね。いるべき場所にいることが大事だと思いますし、これを継続して結果を出し続けなければ意味がありません。これからも頑張ります。 --ハットトリックはプロキャリア初でしょうか?僕の記憶が正しければ、以前、天皇杯でのハットトリックはありますが、J1では初めてです。狙ってできるものではないですし、自然なプレーの結果として達成できたものだと思っています。自然体でプレーすることが大事だと感じています。
清水エスパルス
監督
完敗です。自分たちの力がまだまだ足りないと思います。(次節まで)中2日なので、切り替えてやっていきたいと思います。 試合については、前半は悪くなかったですが、ちょっとしたところ、例えばボールの失い方、そこからの守備など、ちょっとした差が積み重なり、大きな差を生みました。3失点目のスローインなどは、気づいた人がどんどん声をかけて、(最終ラインを)戻させるしかありません。集中力も含めて、そうした一つひとつのところが重なった結果です。相手は一人ひとりを見ても、芯をもってやっていたと思いますし、やっぱりまだまだ足りない、力不足だと感じています。 ただ、忘れなきゃいけない日もあると思います。崩れると、大量失点になってしまうので、崩れないでやることが大事です。選手たちにはちょっとしたところ、改善すべきところを伝えました。 --カピシャーバ選手をリーグ戦では今季初のスタメンに起用しました。ここまで出番を与えなかった理由と、このタイミングで起用した意図を教えてください。ここ最近は、練習からパフォーマンスが非常に良かったですし、「やってやろう」という気持ちをすごく感じられました。同じポジションには、(井上)健太や(藤井)智也がいるため、チーム状況の観点からここまでは出番が少なかったですが、練習でのパフォーマンスを見て使ってみたいと思いました。 --3失点目を喫し、松崎 快選手が退場処分を受けたあとに飲水タイムがありました。防戦一方の状況が続いていた中で、どのように意思統一を図り、改善をしようとしたのかを聞かせてください。退場者が出たときはすでに0-3だったので、まずは守備ブロックを崩さないようにしようとしました。ボールを持たれるところは仕方ないと思うので、「まずは我慢強く戦っていこう」と伝えました。やはり、0-3で終わるのか、0-5で終わるのかでは、得失点差に大きく影響しますし、今後の順位にも必ず関わってきます。そういうところも含めて、傷口を大きくしないことも大事です。とはいえ、選手たちも、点を取りたいという気持ちでやっています。守備のバランスを崩さないようにしながら、1点ずつ取れればいいかなと思っていました。
FC町田ゼルビア
監督
まずは平日のナイトゲームにもかかわらず、多くのファン・サポーターの皆さんにこのアウェイの清水の地までお越しいただき、心より感謝を申し上げます。ファン・サポーターの皆さんに勝利をお届けできたことを、とてもうれしく思っています。 立ち上がりに関しては、ウォーミングアップ中のケガのアクシデントにより、急きょ、スタメン予定だったテテ イェンギに代わって、西村 拓真を起用するというメンバー変更がありました。ただ、チーム全員が気持ちを1つにしてしっかりと対応してくれたことはとてもありがたく、皆がブレることなく、各自が状況をコントロールしながら戦ってくれたと感じています。 試合の序盤は長いボールを多く入れられる場面もありましたが、競り合いやセカンドボールの回収については事前にしっかりと対策を講じていましたので、大きなピンチを招くこともなく、確実にマイボールにできた点は非常に良かったと思います。 その中で先制点のような形のミドルシュートというのは、1つの重要なポイントでした。(第8節の)柏戦での敗戦時には相手のミドルシュートから失点を喫してしまいましたが、われわれとしても「ミドルシュートやそのこぼれ球への反応を強みとして出していこう、積極的に狙っていこう」と話していました。シュートを打たなければチャンスは生まれません。その姿勢を徹底した結果、見事にゴールへと結びつき、1-0で試合を折り返せたことは非常に大きかったと思います。 後半に関しては、攻め急ぐことなくじっくりと相手陣内に押し込み、相手の出方を見極めながら試合を進めることを意識しました。背後を狙う動きやスペースへの進入を交えつつ、ポゼッションを軸に相手ゴールへ迫ろうとしていた矢先の立ち上がりに追加点を奪えたことは非常に良かったです。また、急きょの出場となった西村がハットトリックを達成してくれたことも含め、素晴らしい活躍を見せてくれたと思っています。 これで公式戦6連勝となりましたが、決して油断することなく、中2日で控える神戸さんとのアウェイゲームに向けて、しっかりとコンディションを整え、再び勝点3を積み上げられるように、チーム一丸となって準備を進めてまいります。 --最終的にスタメンから外れたイェンギ選手のケガの現状はいかがでしょうか?前日練習から少し違和感があったため、実際に(ウォーミングアップを含めて)やってみて決めようとしていました。ただ、アップをしているうちにまた違和感が出てきたため、これから連戦も続く中で、無理はさせないほうがいいと判断しました。そこまで長引くものではないと思います。 また、われわれはいろいろな戦い方ができますし、小川 航基もFWとしてのパワーをもっている選手です。そういう意味では違和感なくやれると信じていました。選手たちも(最終的にイェンギがメンバーから外れることについて)「切り替えていきましょう」と前向きに受け入れてくれていたので、その点では良かったと思います。 --イェンギ選手の代わりに出場する選手という意味では、さまざまな選択肢があったかと思います。その中で西村選手の起用を選択した理由は?もともと先発としての実績も十分にありますし、西村はハイプレスの戦術理解や連動性のレベルが非常に高いという点もあります。さらに守備でも決して手を抜かず、献身的に走り続けてくれる選手です。そうした姿勢はチーム内でも高く評価されていますし、彼自身も非常にギラギラとした意欲にも満ちあふれていたので、そういった意味でもまったく不安はなく、自信をもって西村を起用することができました。
清水エスパルス
MF 8
井上 健太
--右ウイングで途中出場しました。どのような意識をもってピッチに立ちましたか?縦の推進力を出すこと、クロスで終わることを意識して入りました。監督からは相手のポケットを狙っていくことを求められていた中で、自分としても、右のほうが抜けやすいですし、ずっとやってきたサイドなので、やりやすさはあります。ただ、チームの約束事的に、(大外に)張るよりも、少し中からのプレーになるので、そこは難しいと感じました。 --相手との差を感じた部分は?90分間の中で、相手を見て選択肢を変えることができるチームでした。例えば、僕らが前から(ボールを)奪いにいくのであれば、ボランチも下がって、人数をかけてビルドアップをしていた。僕たちの出方を見て、11人全員が判断を変えられるところは、僕たちとは明らかに違うなと思いました。当然、技術の面もありますが、相手を見る力は圧倒的に違う。大人の対応をされたと感じています。
FW 7
カピシャーバ
町田さんには質の高い選手がいて、チームとしても非常にクオリティーの高いサッカーをしています。厳しい戦いになるとは思っていました。結果としては大差で負けてしまい、サポーターの皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただし、中2日で次のゲームがあります。修正すべきところはしっかりと修正して、次に臨めればと思います。 --今季リーグ戦初先発だった。心境は?サッカー選手は常に「スタメンで出たい」、「少しでも多くの試合に絡みたい」という気持ちをもって普段の練習に取り組むもので、当然、自分もそうした気持ちをもっています。ただ、チームメートもリスペクトしています。その中でチャンスをもらえたので、できる限りの力を尽くして、チームに貢献したいと思ってピッチに立ちました。勝ちにつなげられなかったことを申し訳なく思っています。これからも献身的に日々練習に取り組み、自分にできることをしっかりと続けていきます。