2017年、東京Vはロティーナ監督を迎え、徳島はリカルド ロドリゲス監督を迎えた。以来、東京Vと徳島はスペイン国籍の監督率いるライバル同士と目され、その年の最終節、味スタで6位の東京Vが5位の徳島を破り、徳島がJ1昇格プレーオフ出場を逃したことでその関係は決定的となった。18年もリーグ終盤の明治安田J2第38節に対戦。敗れた徳島はJ1参入プレーオフ進出が絶望的となり、勝った東京Vはその後プレーオフに進出して磐田との決定戦まで進んだ。それまで徳島が東京Vのホームで勝ったのは07年の一度だけで、徳島にとって味スタは鬼門であり続けた。
しかしその関係は、東京Vのロティーナ政権終焉とともに変化する。ギャリー ジョン ホワイト監督を迎えた昨季の東京Vは中位に低迷し、夏に永井 秀樹監督へと交代。スペインサッカーの影響を受け、攻撃サッカーを掲げる永井監督は、リカルド ロドリゲス監督にシンパシーを抱いている。その初対決は昨季の第41節。「ヴェルディは[5-4-1]のブロックを崩せない」(リカルド ロドリゲス監督)と、引いた戦いを選択した徳島の術中にハマり、東京Vはホームで徳島に12年ぶりの敗戦を喫した。そして徳島はJ1参入プレーオフに進出。決定戦を湘南と戦い、引き分けで涙を呑んだ。
そして今季、開幕戦の相手が徳島だった。オフには昨季まで東京Vの主力だった上福元 直人と梶川 諒太が徳島に移籍し、さらに負けられない因縁ができた。プレシーズンの猛練習の成果を試すべく挑んだアウェイでの開幕戦は、ミスから徳島のカウンターに沈んで0-3の完敗に終わる。
新型コロナウイルスの影響による中断を経て、すでにリーグ戦は4分の3近くを消化。ライバル視していた徳島とは勝点20もの差が開いた。今季プレーオフは開催されず、2位以内に入る可能性が薄くなった東京Vとすれば、なんとしてでも首位を走る相手に一矢を報いる他はない。リーグ後半戦に入ってからの東京Vは、前半戦で敗れた相手にはすべて勝利している。東京Vにとっては特別な一戦。ライバルに、自分たちが今季積み上げてきたものを示さねばならない。
[ 文:芥川 和久 ]
