シーズン終盤での連戦の疲労を抱えながら、「もっと堂々とプレーできていればまた違った展開になっていたのかなとも思います」と話すのは小野 伸二。磐田戦では3点ビハインドの場面で途中出場し、「全体が前に進むボールの動かしてくれた」(樋口 靖洋監督)ことで、連動したパスワークで敵陣に攻め入る時間を作ったものの、シュート数4本にとどまり最後まで点差を詰めることはできなかった。
「選手たち一人ひとりの判断力であったり、個々の技術のところで力の差を感じた試合だった」と小野。そして「スコアが示すとおり力負けだった」と話す樋口監督。特にポテンシャルとクオリティーを上げる必要性を肌で感じたという指揮官は「ここを超えていかない限りJ1には届かない。痛感させられたことを指標にしていかなければならない」と選手に伝え、顔を前に上げさせた。残り6試合、来季を見据えた戦いも重要となる中、築き上げてきた意思疎通で攻守にかみ合いを見せ、主導権を握りたいところだ。
そして、今節対戦する東京Vを相手に静かに闘志を燃やすのは李 栄直。昨季まで永井 秀樹監督の目指す攻撃サッカーでフリーマンとして一翼を担ってきた選手はいま、「自分たちのサッカーで特別なクラブを倒したい」とポゼッションサッカーを主とする両チームの戦いを制したいと意気込む。その彼と樋口監督が警戒するのは11月だけで4ゴールの端戸 仁。横浜FMを指揮したときに間近で見ていた樋口監督は「すごくアイディアを持っていて何をやりだすか分からない」と話す。そして李 栄直も「ファーストタッチのボールを全部止め切れる選手。そこをつぶしていかないとヴェルディにリズムを与える」と注意を払う。前節、堅いブロックを敷く福岡を相手に光らせた連動性。その中心となる端戸の動きに目が離せない。
[ 文:仲本 兼進 ]
