栃木は前節、攻守において連係面が不足していることを露呈する開幕戦となってしまった。ロングボール一辺倒になってしまい、チグハグな攻撃が続く流れで2失点して敗戦した。ただ、試合後に選手たちはすぐさま課題を共有。田坂 和昭監督も「課題を共有した開幕戦翌日のトレーニングマッチの内容は良かった」と語り、修正に手ごたえを感じている様子はうかがえる。
昨季はストーミングという走り勝つスタイルで10位に入った栃木。そのストロングは相手に走り勝ち、球際の攻防で相手を上回る闘争心を見せることにある。次節は同スタイルを標ぼうしてJ3を圧倒的な戦績で昇格してきた秋田を迎え撃つだけに、J2の先輩として同じ土俵で負けるわけにはいかないだろう。「相手は一瞬のスキを突いてくる」と矢野 貴章。秋田の勝負強さはチームとして認識済みが、果たして相手にスキを見せずにスキを突くことができるか。リスタートを含めて“一瞬”を手繰り寄せる集中力が求められる。
対する秋田は開幕ゲームをアウェイで戦い、群馬に1-2で敗戦した。ただ、内容そのものは秋田らしいパワフルさを感じさせるもので、今季のJ2で旋風を巻き起こしてもおかしくない戦いぶりを披露したと言える。齋藤 恵太や中村 亮太らをスイッチに全体が迫力のあるプレスを掛けていく姿勢は圧巻。後半になって代わりに入ったFWも走力やパワーを持った選手たちばかりで、チームとして90分間、プレー強度が落ちない点は脅威だ。
秋田は昨季のJ3で挙げた55得点の半分近くをリスタートから決めているが、開幕戦ではメインのキッカーであり、昨季のJ3で6得点10アシストを記録した江口 直生が不在だったことは多少響いたかもしれない。ただ、鈴木 準弥のキックの質も高く、群馬ゴールを脅かすことはできていた。
秋田は開幕戦で見せた戦いをこの1年間続けるだけだろう。同じ走り勝つスタイルの栃木との蹴り合い、走り合い、カウンターの打ち合いが予想される戦いにも、何のてらいもなく飛び込んでいくはずだ。壮絶な試合になるだろう。
[ 文:鈴木 康浩 ]

