耐え続けた藤枝。価値ある『1』を積み上げて残留決定
サガン鳥栖
--勝つしかない試合でしたが、チームとして無得点に終わりました。FWとしての悔しさも強いと思います。個人としてしばらくゴールから遠ざかっているのも分かっていたし、それをなんとか打開したいと思っていました。もちろんチームの勝利のためにゴールを奪いたかったんですが、そこだけを見ればまだまだ足りないなと感じさせられました。 --相手は勝点1を確保するために守備に比重を置いてきましたが、鳥栖としてはもっとシンプルにゴールに向かう姿勢が欲しかったようにも感じました。この中断期間で準備してきたものにトライしつつ、序盤はちょっと手を焼きましたが、いつもよりは(今津)佑太くんのところからシンプルに両ウイング(バック)のところを狙っていたと思います。自分のところに一発で、というのはなかなかなかったですが、個人的にはこれまでより動き出しはしやすかったし、見てくれている感覚はありました。ただ、どうしても背後というよりは足元で待つ傾向があるので、そこは自分の引き出し方がもっとうまくならないといけないと思います。 --勝たなければいけない試合で無得点。今季はチームとして得点力が課題になったと思います。まだ最終節は残っていますが、シーズンを振り返るとそれがすべてだったかなと。得点力不足、前線の迫力はシーズンを通して課題でしたし、ずっと言われ続けていたと思います。FWとして、チームの最前線でポジションを張る人間としてはふがいなさを感じています。チームとしても個人としても、夏場のコンスタントに点を決めることができていた時期のような感覚にもう一度戻れればと思っていたんですが、今日も1本良い形がありましたけど、夏場だったらもっと本数自体が多かったと思います。いろいろとやろうとしていることが重なり過ぎて、逆に難しくなってしまったのかなと思います。僕は(ビルドアップの土台になる)後ろの選手ではないので分からない部分もあるのですが、もうちょっとチームとしてシンプルにプレーできるように、「山田に預ければ大丈夫」と信頼してもらえるような選手にならないといけないと思います。
--試合直後、崩れ落ちていましたが、どんな心境だったのでしょうか。勝たないといけないのは分かっていた中で、引き分けに終わってしまった。あの瞬間、体から力が抜けたというか、自然と崩れ落ちてしまいました。 --勝つしかない試合で無得点に終わりました。得点力不足という課題を象徴するような試合だったと思います。自分たちは良いゲームをしているのに得点を奪えずに引き分けに終わったり、負けてしまったりと、内容は良いんだけど勝ち切れないという試合が多くて、そこがチームとして大きな課題だというのは感じていました。それがこういう(シーズン)終盤になっても出てしまうのは、あらためて課題だったなと思います。 --相手が勝点1で残留が決まる状況で、どこかで引くことも想定していたと思いますが、最後まで打ち破れませんでした。最近は自分たちに対してマンツーマンプレスで対抗してくるチームが多くなって、その対策や相手が引き分け狙いで引いてくることも想定していました。その中で中盤まではポゼッションもうまくいってフィニッシュまでは行くことができていたのですが、フィニッシュの質がまだまだ足りなかったからこそのこの結果なのかなと思います。 --点を取らなければいけないのに整い過ぎているというか、不格好でもいいから相手ゴールに迫るような姿勢は必要だったように感じます。得点が欲しかったんですが、相手は5枚が引く形でブロックを作ってきて、自分のところには2枚、3枚とマークがつくような感じで来ていたので、自分としてはシンプル、簡単なプレーを意識していたし、ジョーが入ったことでゴール前に高さ、怖さも生まれたと思うので、そこは意識していたんですが、チームとして相手にとって怖いことを増やさないといけなかったなとは思います。
藤枝MYFC
監督
前節(・千葉戦)、非常に割り切った戦いで勝点1を得て、いまのチーム状況においては必要な勝点1、自力で残留を決める上での苦渋の選択とまではいかないですけれども、柔軟に対応してしっかり選手がそれを遂行して、勝点1を取った。それを無駄にしないというのが、今日の最大のテーマでした。 もちろんホーム最終戦ですし、われわれが掲げている攻撃的なところを絶対見せないということではないですけれども、勝点1を常に手元に置いた状況で、90分プラスαの試合をコントロールして、今日の試合に臨みましょうということをテーマに掲げて、千葉戦と違ってその確率を上げる作業としてハイプレスをうまく使いながら、そこを破られたらまたミドル(ブロック)で構える。それすらも破られたらリトリートしてはね返すよ、と。ただ、クロスから最後のほうはありましたけども、いつまでもリトリートしているとああいうシーンがあるので、下がったボールに対してはしっかりラインアップして、ボールホルダーに対してプレッシャーを掛けましょうというところは、オープンプレーではうまく組織的に守れたのかなというのはあります。 その一方で、ビルドアップのところで今季ずっとミスから失点というのがあったので、そこはゼロではなくて、相手の状況を見てやれるときはやりましょうと選手たちと共有しました。ただ、そのやれるところというのが、あまりリスクを負わないということで、回数は少なかったのかなというのがある。そこは改善の余地があるかなと。山形戦が最終節で残っているので、そういうところは上げていきたいです。ただ、サッカーはミスのスポーツですから、どのエリアでミスをするかということを考えると、昨日の天皇杯(決勝)でも、町田も神戸も自陣でのリスクは回避していた。もちろんファイナルだからというのもありましたけど、そういう方向に進んでいるのかなというのはあります。ただ、僕はロマンを求めたいですし、藤枝MYFCはそういうクラブですから、よりビルドアップの精度を上げて、行っても(ボールが)取れないよねと。それでも来たら、それすらもプレス回避していくよねということをやっていきたいと思っています。そこが一番今日の課題として挙げられるかなと。ただ、最後まで体を張って、ペナルティーエリアで相手のシュートに対して3、4人が飛び込んでいくというところは示せたので、これを1年間継続すれば、今季負けている試合を引き分けに持っていける、引き分けの試合を勝ちに持っていけるチームになるのかなというのは見えました。そういうところも踏まえて、もっともっと成長していきたいなと思っています。
サガン鳥栖
監督
今日のゲームはたくさんのサポーターが駆けつけてくださって、私たちの勝利を信じて、可能性を信じて、ともに戦ってくださいました。その中で私たちも勝利することで(プレーオフ進出の)可能性を広げられるという強い気持ちで臨んだのですが、残念ながら引き分けということで、いまちょっと(気持ちを)整理するのが難しいんですが、37試合の積み重ねがいまのこの順位だと思いますし、今日のゲームでもたくさんのチャンスを作ることができたとは思うのですが、やはり得点が取れなかった。ここがすべてだと思います。もう一度、うまくてしたたかで強いチームを作っていかないといけないということをあらためて痛感しました。選手たちは本当に最後まであきらめることなくファイトしてくれたと思いますし、気持ちはしっかりと見せてくれたと思っています。この場を借りて感謝の気持ちを伝えたいと思います。 ラスト1試合、ホームでの最終戦になりますが、私たちを1年間どんなときも支えてくださったサガン鳥栖ファミリーの皆さんのためにも、大切な人たちのためにも、やはり勝って、笑って終わりたいと思います。プロとしてしっかり準備して、最終戦の勝利にこだわって、完璧な準備をして臨みたいと思っています。 --終盤にジョー選手を投入しました。絶対に勝利が必要な状況でしたが、どんな狙いだったのでしょうか。ジョーもケガで苦しんだり、コンディションが上がらない時期も続いたんですが、この2週間、途中で練習試合も行った中で彼のパフォーマンスが非常に高かったこと。そして、どんなときも素晴らしい準備をして、いま今季でも一番良いコンディション、パフォーマンスになりましたので、この大一番で彼の得点力、高さ、そのあたりには十分に期待できるということで投入しました。彼が入ることによって相手にとっては怖さが出たと思います。つらい時期もあったと思いますが、くじけずにしっかり準備してくれたことが今日の試合出場につながったと思います。
藤枝MYFC
GK 41
北村 海 チディ
--ビッグセーブもあって見事に完封しましたね。シュートを打たれないことがベストなので、そこにフォーカスするならあまり良くないのかなとは思いますけど、来たボールをしっかり止められたのは良かったのかなと思います。 --終盤にCKからの相手のボレーシュートを止めたセーブは非常に大きかったと思いますが、あのシーンを振り返ってもらえますか。あそこはキックに対して出られなかったんですが、今週の練習でそういう状況を想定して謙作さん(阿部 謙作GKコーチ)に練習を組んでもらって、それが実践できたのかなと思います。シューターの位置を確認して、ここに落ちそうだから、ここにポイントを合わせようというのは自分で何個かポジションを決めていて、味方が頑張ってくれていたし、頭を越えて4番の選手(今津 佑太)がシュートを打つというのも予想できたので、そこにちゃんと正対して準備できている状態を作ることが無意識的にできたのは、自分の中で成長なのかなと思います。 --クロスやセットプレーでかなり良いボールが入ってきていましたが、そこに対してはどう対処しようと?前日のセットプレー練習からも、クスくん(楠本 卓海)とか(中川)創くんとコミュニケーションをとって、いまのボールは出られる、出られないということは話していましたし、逆に出てほしいボールのときにも要求してくれていたので、いざボールが入ったときに、ここは出られる、出られないということを共有できていました。今日はセットプレーやクロスの本数が多いからといってイヤな感じはなくて、自分の中でやることがハッキリしていたので、迷わずプレーできたのかなと思います。 --ここ2試合、守り切る力という部分ではかなり手ごたえは得られていますか。後ろに人数を割いているので、逆にこれで失点してしまったら後ろの責任だと思いますし、この強度を普段のスタイルのときに出さないと本当はいけないと思います。「後ろに引いて守れました、OK」じゃなくて、もっとチームとして上積みしていかないといけないのかなというのは思います。
DF 4
中川 創
--J2残留を決められたことについて、いまどういう気持ちですか。セレモニーでも言わせてもらったとおりで、本当にふがいないシーズンだったなと、いま振り返ってみてもそう思いますし、誰一人納得できてはいません。夏過ぎからなかなか勝てなくなって、降格がちらついてきて、結局残り数試合は残留争いに思い切り突っ込んで、その中でもなかなか勝てない状況で、なんとかという形で残留だったので、本当に申し訳なかったなと思います。 --終盤もかなり猛攻を仕掛けられましたが、無失点に抑え切れた要因はどこにあると思いますか。本当にみんなの集中力が切れなかったことじゃないですかね。入ってきた選手も出ていた選手も声をかけ合って焦れずにやれていましたし、ボックス近辺でずっとボールを持たれる展開ではありましたが、その中でも一人ひとりが集中を切らすことなく、ボールに対する執着心だったりゴール前で体を投げ出したり、そういう気迫みたいなものは見えたのかなと思います。 相手にボールを持たれましたし、ライン間でターンされましたし、クロスが多くなるというのはもちろん分かっていたので、クロス対応は前節(・千葉戦)の週からずっと取り組んできて、それが実を結んだのかなと思います。それでも危ないシーンはありましたが、ディフェンスラインとしての手ごたえは少なからずあったのかなと思います。 --今季はホームゲームの入場者数が初めて平均5,000人を超えましたが、そこはどう感じていますか。僕はこのクラブに来て2年半になりますけど、その当初と比べるとものすごくお客さんが入るようになって、それはフロントの人たちが自ら足を運んで呼びかけてくれたりしたおかげもあると思いますし、サッカー選手としてはより多くのサポーターの前でプレーできるのは本当に幸せなことです。今日も苦しい中ですごく支えになりましたし、本当に感謝しています。来年は今日みたいな雰囲気を毎週作ってもらえるように、まずは自分たちが結果を出さないといけないと思うので、また頑張っていきたいと思います。