“信州ダービー”のときが来た。
松本対長野。2022年以降はJリーグだけですでに9回対戦しており、近年はうっすら“マンネリ感”さえ漂っていた。しかし『5-0』という衝撃的なスコアで終わった前回対戦で、停滞したムードを一掃。シーズンダブルを狙うホームの松本が、雪辱に燃える長野を迎え撃つ。
そもそもダービーマッチうんぬんを抜きにして、連敗は避けたい局面だ。松本は前節・札幌戦で1-2とされ、7試合ぶりの90分負け。持ち味のプレッシングがロングボールで無効化され、手を焼いている間にセットプレーから失点を喫した。
井上 愛簾の鮮やかなゴールで一時は追いついたものの、直後にPKを献上して敗れた。11試合で14失点。シーズン始動から守備に基軸を置いてきた石﨑 信弘監督だが、「ちょっと多い。1試合1失点(以内)でないと」と注文をつける。
長野にはアウェイでの前回対戦時、序盤から
加藤 拓己らが得点を重ねて5-0の完勝。『アウェイ・長野』で松本が白星を挙げたのは2007年の北信越リーグ1部時代以来19年ぶりで、データが残る2004年以降、公式戦のダービーマッチが5点差で決着するのは史上初となった。
松本にとっては、それを再演すべき舞台。ただ、長野は小林 伸二監督に代わって以降はディフェンスの整備が急ピッチで進んでおり、「今までの長野とは違う」(石﨑 信弘監督)、「前回とは別のチームだと思う」(
樋口 大輝)と松本側は警戒を強めている。
長野は小林 伸二監督が途中就任して以降の3試合で1勝2敗(PK負け1試合を含む)。複数失点は一度も喫しておらず、応急的な“止血”に成功している。今回は過去の松本戦で活躍してきた
安藤 一哉が故障離脱、若き守護神・
牧野 虎太郎が出場停止。万全の布陣ではないかもしれないが、前回対戦で屈辱を味わった面々がリベンジを期して乗り込むだろう。
そしてこの一戦は、国内屈指の“名伯楽”対決としての側面も併せ持つようになった。前人未到のJリーグ戦通算指揮数858試合となる68歳・石﨑 信弘監督と、同736試合の65歳・小林 伸二監督(※ともに百年構想リーグの指揮数は除く)。“昇格請負人”という二つ名も冠される海千山千の2人でもあり、サンプロ アルウィンでの采配にも注目が集まる。
[ 文:大枝 令 ]