抽選の結果、この試合をホームで戦う権利を得た札幌の直近試合は8月29日のJ1第13節。ホームで名古屋と対戦した。立ち上がりこそ相手の個の力に押し込まれる局面が続いたが、それを粘り強くはね返すと、次第にボールを保持できるようになる。もちろん、カウンターが得意な名古屋が相手だけに、それをもってして試合の主導権までも掌握したとは言い切れないのだが、それでもそこからバランスを崩さず落ち着いて戦うことができていた。最終的にはスコアレスドローとなったが、首位・川崎Fの連勝を『10』で止めたばかりの名古屋と互角に渡り合った。
リーグ戦での未勝利試合は『6』に伸びてしまったのだが、名古屋戦で得た勝点1の意味は小さくない。なかなか勝利が得られない中でも指揮官は策を講じ、アンデルソン ロペスやキム ミンテといった選手をスタメンに抜擢し、そしてそれに呼応するように選手たちも90分間集中して名古屋と組み合った。ラストプレーのPKが決まっていれば勝利というところまで迫ったことを考えても、潮目は変わりつつある。
一方、9月の北海道に乗り込む横浜FMの直近試合は、こちらも8月29日のJ1第13節。敵地で神戸と戦って3-3のスコアで引き分けている。18分に先制点を奪われながらも、そこからマルコス ジュニオールの2得点で前半のうちに逆転すると、後半立ち上がりには仲川 輝人が決めてリードを広げる。そのまま勝点3を奪うかに思われたが、90分、90+1分にまさかの連続失点を許してしまい、タイスコアに。勝利をつかみかけていただけに、手痛いドローだったと言える。リーグ戦連勝は『3』で止まった。
言うまでもなく課題は守備だろう。攻撃のほうは得点を取るべき人がしっかりと取っているが、守備のほうは過密日程の中でメンバーをローテーションさせながら戦っていることもあってか、なかなか盤石になっていない。ベストな顔ぶれが好コンディションでそろえば鉄壁なのかもしれないが、そうではない部分が垣間見えていえる状況だ。
さて、そんなチーム同士の対戦だが、8月26日にリーグ戦で対戦したばかりというのが興味深い。ここでは横浜FMが攻守両面で完全に力の差を見せて4-1で勝利をしているが、だからといって流れがそのままとはいかないのがカップ戦の面白いところ。すでに今季のリーグ戦で二度の対戦を終えており、互いにおおよそ手の内を知った中で、とりわけ敗れたばかりの札幌がどのような対策を練ってこの大一番に挑むのか。
一発勝負。オール・オア・ナッシングの激しい争いにぜひとも注目したい。
[ 文:斉藤 宏則 ]