Bグループを2位通過した神戸だが、決して順風満帆な戦いではなかった。ただ、徳島、大分と勝点5で並び、勝てば文句なしにグループステージ突破が決まる最終節・徳島戦は圧巻。山口 蛍と酒井 高徳のチームリーダー2人が今季のルヴァンカップでは初先発を飾り、若手も多いチームをけん引。2分に山口が勢いをつかむ先制ゴールを決めると、ケニア代表FWアユブ マシカが来日初ゴールを含む2得点と暴れた。3-0で徳島を退けた神戸がプレーオフステージ進出を決めている。
このルヴァンカップでは、リーグ戦とは大きくメンバーを入れ替えてきた神戸。このステージで活躍した選手がリーグ戦での先発出場をつかみ取るなど、好調なシーズンを戦うチームにとって意義深いものとなってきた。さらにリンコンやアユブ マシカの新加入選手、試合復帰したアンドレス イニエスタのコンディション向上や全体の連係促進にも大きな役割を果たした。
一方、浦和のグループステージの戦いも白熱した。Cグループは最終節を迎えても4チームに勝ち抜けの可能性がある大混戦。ただ、神戸同様にこのステージに出場したプレーヤー、若手をはじめ、田中 達也や鈴木 彩艶らがリーグ戦に良いリズムを運び込むケースも多々見られ、チーム力を育む上で重要なステージともなった。そして、プレーオフステージ進出のため勝利が求められた最終節で横浜FCを2-0で沈め、首位でCグループを突破している。
この最終節から中2日、明治安田J1第15節で対戦している両者。この試合を振り返ると、前半は神戸が圧倒的にゲームを支配した。アンドレス イニエスタが今季初先発を飾る中、攻守盤石の戦いぶりで躍動感を示していたが、ハーフタイムに2枚代えで小泉 佳穂、柴戸 海を投入した浦和は、47分に田中が先制点を奪取。前半の悪い流れを改善してゲームを進めると、85分にはキャスパー ユンカーが加点し、2-0で神戸を退けている。
ともにボールを持って主導権を握るスタイルで、今季の神戸は三浦 淳寛監督の下、堅い守備力も積み上げてシーズンを堅調に戦い、浦和も今季から就任したリカルド ロドリゲス監督のサッカーが浸透度を高めている。ここまでリーグ戦17試合を戦いともに勝点28を積むなど、数字上からも実力伯仲の香りを漂わせているのが印象的だ。
神戸は古橋 亨梧、トーマス フェルマーレンが代表活動のため不在、浦和も鈴木がU-24日本代表に招集されている。神戸はこの試合を経て、13日に第2ラウンドを戦ったあと、16日に鈴鹿ポイントゲッターズとの天皇杯2回戦を控え、浦和はこの試合から中2日で富山との天皇杯2回戦を戦い、第2ラウンドに向かう。両者とも主力勢の投入も視野に入ってくるが、前回対戦や第2ラウンドなども見据え、両指揮官による駆け引き、用兵、戦術のぶつかり合いに注目だ。
[ 文:小野 慶太 ]
