決勝点を演出したのは、ひさびさの出場機会を得た大久保 智明。「監督は本当に練習をしっかり見てくれる方だし、自分が本当に調子も良かったので、だからこそ今回使ってくれたと思う」と意気に感じた大久保はこれまでにない積極的な姿勢を見せるが、逆に気負いもあったのか、「自分で点を決められる場面もあったし、もっとアシストできる場面もあった」と、ゴール前で慎重になり過ぎるシーンも複数回あった。しかし、最後は持ち味のドリブル突破を見せてキャスパー ユンカーへボールを届け、ゴールへとつなげた。
大久保の抜擢に加えて、復帰間もないトーマス デンも先発起用されたあたりはカップ戦らしいターンオーバーとも言えるが、決勝点を挙げたキャスパー ユンカーをはじめとして、小泉 佳穂、西 大伍、岩波 拓也など大半は主力メンバーを投入した“ガチ仕様”。“リカルド・レッズ”は常に一戦必勝だ。
天皇杯勝ち上がりの代償として選手の消耗も激しくなったが、リカルド ロドリゲス監督は「フレッシュな選手や疲労がある中で出場する選手もいるとは思うが、いずれにしても、次の試合に勝つために最大限の力を出せるよう選考する」と今回も本気モードだ。幸い、次戦は20日で1週間のインターバルが取れるため、3連戦を戦うことが集中力を高める良い方向に出そうだ。
神戸とは今季すでに二度対戦しているが、いずれも神戸は奇襲に近い策をとってきた。明治安田J1第15節ではアンドレス イニエスタを今季初先発させ、古橋 亨梧を2カ月ぶりにサイドで起用。さらに、6日の第1戦では今季初の3バック布陣を採用。いずれの試合も前半は神戸のペースで、それを浦和の修正力が上回った格好だった。
浦和はおそらく、選手選考はともかくスタイルや布陣は大きく変えてこないだろう。現時点ではまだ変えられないとも言えるが、逆に相手に奇策を強いるほどスタイルが確立されつつあるとも言える。ピッチ内外の修正力を信じての真っ向勝負だ。
一方、先勝を許した神戸はどう出るか。中6日と日程的には有利となるが、この試合から4連戦と後ろの日程が詰まっているのはやや懸念材料か。同じくアジアの舞台に返り咲くためには、16日の天皇杯も軽視するわけにはいかない。
前述のとおり過去2戦は奇襲を仕掛けたが、内容的に成功しつつも結果を得ることができなかった。三度目の正直として三浦 淳寛監督がどのように仕掛けてくるのか。ここにまず注目だ。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
