先手をとったのは名古屋だ。第1戦では13分に柿谷 曜一朗のゴールで先制すると、53分には稲垣 祥が追加点。試合開始から準備してきたビルドアップが機能し、1点目は用意してきたセットプレーで奪ったゴールだった。リードを奪えば余裕を持って試合を運び、鹿島がバランスを崩したところで得意のカウンターから追加点を奪う。これには鹿島の相馬 直樹監督も「こういう展開にならないように、と思っていたんですけれども、最初のリスタートのところから失点という形になってしまい、それ以外のところでもちょっとわれわれにとってはストレスがかかる内容というか、展開だったかなと思います」と、自分たちの流れに持ち込めなかったことを認めていた。
ホームで2点のリードを奪った名古屋は、鹿島にアウェイゴールを許さなかったため、この時点でかなり優位な立場に立っている。もしこの第2戦で1点でもアウェイゴールを奪うことができれば、鹿島が逆転するには4点を奪わなければならない。守備に自信を持つチームが4失点する姿はなかなか想像できない。実際、今季の公式戦で名古屋が4失点したのは川崎Fに0-4で敗れた明治安田J1第22節のみ。3失点したのも2試合だけという堅守を誇っているだけに、鹿島は絶対にアウェイゴールを許したくないところだ。
8月18日の天皇杯ラウンド16・長崎戦からアウェイ5連戦を戦ってきた鹿島は、久しぶりにホームに戻って戦うことができる。ただ、茨城県独自の非常事態宣言が今月12日まで延長されたことを受け、この試合は観客を入れないリモートマッチで行われることになった。ホームでの試合ながら背中を押してくれるサポーターの声援を受けることができない。それでもこのところ公式戦5試合連続で先発するディエゴ ピトゥカは全力を尽くすことを誓っていた。
「残念ながら観客がいない中でプレーしなければなりません。ただ、サポーターの皆さんは、自宅でしっかりわれわれを応援してくれると思います。僕が保証できることは、90分間われわれは戦い続けること。最終的に90分が終わったときに次のラウンドに進めているという結果を届けることができればと思っています」 逆転でベスト4に進出するには難しい条件がそろっている。それでもディエゴ ピトゥカは「何をしなくちゃいけないかはみんな分かっている。全員が試合に集中していると思いますし、この状況を打破できるんじゃないかと思っています」と自信をのぞかせた。タイトル獲得に向けて前進するのはどちらのチームとなるだろうか。
[ 文:田中 滋 ]

