ともに今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)に出場し、プライムステージからの登場となった。名古屋は苦手としていた鹿島とFC東京を破り、クラブ創設以来初のルヴァンカップ決勝進出。C大阪は常に激しい試合となる“大阪ダービー”を乗り越え、浦和に競り勝ってこの大舞台へ上がってきた。
両チームは27日に行われた天皇杯準々決勝でも対決し、C大阪が3-0の完勝を収めている。C大阪は直近のリーグ戦から先発メンバーを9人入れ替える布陣で臨んだ。小菊 昭雄監督は「いつも試合に絡めていない選手たちの、勝ちたい、試合に出たい、そういったパワーを信頼してメンバーを選んだ」と狙いを説明。「全員が攻守の規律をしっかり守って、チームとして積み上げたことを100%発揮してくれた」と選手たちを称えた。
この名古屋との2連戦を総力戦と捉え、まずはその初戦で快勝。決勝では再び大きなメンバー変更があると考えられるが、チームの雰囲気はすこぶる良くなった印象だ。
対する名古屋は、負傷者と登録上出場できなかったキム ミンテ以外ほぼベストと言えるメンバーで戦い、打ち負かされた。9月は公式戦6勝1分と強さを見せていたが、10月に入り1勝1分4敗と失速。月初には4つの大会(明治安田J1、ACL、天皇杯、ルヴァンカップ)でタイトル獲得の可能性があったが、そのうち3つが消滅し、残すのはこのルヴァンカップだけとなった。
名古屋は海外遠征から帰国後の隔離生活など、非常に厳しい日程をこなしながらここまで勝ち進んできた。「それを支えてくれた人たちのためにも、2021年の名古屋は強かったということをタイトルという形で証明したい」と、副キャプテンの中谷 進之介はこのルヴァンカップに懸ける思いを語る。
決勝の注目ポイントは2点。先制点とセットプレーだ。名古屋は今季のリーグ戦で先制した試合は17勝2分1敗と圧倒的な勝率を誇る。直近の公式戦5試合で11失点していることは気がかりだが、先行すれば逃げ切れる力を持っている。逆にリーグ戦では逆転勝ちがなく、公式戦に枠を広げてみてもACLラウンド16・大邱戦の4-2のみ。名古屋とすれば先制点が必須とも言える。
そして天皇杯でも勝負を分けたセットプレーだが、C大阪はリーグ戦でもセットプレーからの得点が多い。原川 力や清武 弘嗣など精度の高いボールを蹴るキッカーがいることがその要因だが、逆に名古屋は公式戦で4試合続けてセットプレーから失点を喫している。セットプレーが1つもない試合は考えられず、C大阪はその質をさらに追求、名古屋はこの短期間でどれだけ修正できるかに注目したい。
緊急事態宣言が解除され、決勝が行われる埼玉スタジアム2002には、今季最も多いサポーターが集結するだろう。その後押しを受けてカップを掲げるのは名古屋か、C大阪か。結果は神のみぞ知るだが、熱い戦いになることは間違いない。
[ 文:斎藤 孝一 ]
