その少しの差は、今年のメンバーにもはね返ってきている。徳島はキャプテンの岩尾 憲が浦和に期限付き移籍したほか、主力の多くがいなくなってしまった。そのうちの1人が、昨季チーム2位タイとなるリーグ戦36試合に出場し、今季から清水に所属している岸本 武流だ。JリーグYBCルヴァンカップ開幕戦・名古屋戦で、加入後初先発を果たしている。
名古屋戦に岸本は右SBで出場。清水は序盤から相手にボールを握られる難しい展開だったが、39分にその岸本が自陣でボールを奪ってドリブルで持ち上がり、ベンジャミン コロリにスルーパスを送って決定機を演出するなど、早くも特徴を見せている。ただ、試合は両チームともチャンスを生かすことができず、スコアレスドローに終わっている。
今節は明治安田J1第2節の“静岡ダービー”から中3日ということもあり、メンバーは前回の名古屋戦になると予想される。それは、リーグ戦でサブまたはベンチ外の選手たちだ。名古屋戦では、菊地 脩太がプロデビューを飾ったほか、大久保 択生が2シーズンぶりの公式戦出場を果たした。また、この試合で清水での初出場を果たした栗原 イブラヒム ジュニアは、その後の磐田戦で途中出場。J1リーグ戦初出場となり、アディショナルタイムに決定機を迎えたが、ゴールを奪うことができなかった。また、栗原と交代でベンチに下がった滝 裕太も同じくビッグチャンスがあり、そこで決められていない。彼らにとってはリーグ戦の悔しさを、今節で晴らしたいところだ。清水としては、この徳島戦にルヴァンカップ初勝利と、今季公式戦ホーム初勝利を懸けて戦うことになる。
一方の徳島も、ルヴァンカップ開幕戦となる広島戦では、リーグ戦から先発11人すべてを入れ替えて臨んでいる。24分にCKから先制点を決められると、33分にはGK後東 尚輝がバックパスの処理にもたついたところを奪われて追加点を許した。2点ビハインドで迎えた後半開始直後にロングボールからムシャガ バケンガが抜け出して、クロスを杉森 考起が押し込んでネットを揺らしたが、ムシャガ バケンガのハンドを取られてゴールが取り消された。その後57分にもゴールを奪われて0-3の完敗。良いところを見せられなかったが、「この場も1つの経験として、引き続き全員で一致団結して前進していきます」とダニエル ポヤトス監督は前を向いた。続いて行われたJ2第2節・岡山戦は序盤に先制点を許してしまうが、41分に藤尾 翔太のヘディングが決まり、今季公式戦初ゴールを記録。ようやくエンジンがかかってきたところで、昨季残留を争ったライバルとの対戦。一泡吹かせる準備はできている。
[ 文:田中 芳樹 ]

