今治と徳島は今季の明治安田J2序盤戦で好位置につけるチーム同士だが、より勢いの良さが際立っているのは今季よりJ3から昇格し、初めてJ2の舞台で戦っている今治だろう。開幕戦こそ痛恨のミスによる失点で黒星となったが、その後の7試合は負け知らず。自動昇格圏の2位とわずか勝点1差の4位につけるなど好調を維持している。
直近のリーグ戦はいまの勢いを象徴するような試合だった。J1 昇格候補の筆頭格にも挙げられる長崎をホームに迎えた中、序盤に奪ったマルクス ヴィニシウスの先制点で勢いに乗ると、後半も自慢のブラジル国籍2トップが大いに躍動。怒とうのゴールラッシュを見せ、4-1の快勝を収めた。
前後のリーグ戦が中2日に設定されている過密日程を考えれば、この一戦では大幅なターンオーバーが行われることが予想されるが、主力組がリーグ戦で好調ぶりをアピールしているだけに、出場機会に飢えた控え組のモチベーションはさらに高まるはず。マルクス ヴィニシウスと並んで昨季のJ3得点王ながら、マルクス ヴィニシウス、ウェズレイ タンキの陰に隠れ、今季まだ無得点と結果を出せていない藤岡 浩介は「試合に出たら必ず結果を出せると思っている。それが僕の役割だし、僕の強み」と強気の姿勢でギラつきを見せれば、チーム最年長の三門 雄大は「(出場機会の少ない選手は)緊張や硬さが出ることは想像している。そういうところでまとめるのも自分の大事な役割」と豊富な経験をもとにリーダーシップを見せる。チームの勢いが失われる様子は感じられない。
一方の徳島はここまでのリーグ戦で3勝3分2敗。勝点12で7位につけている。今季の戦いぶりで際立っているのはなんといっても堅牢な守備。8試合で喫した失点はわずかに『3』とリーグ最少の数字を誇っており、複数失点はまだ1試合もない。2位の大宮と対戦した第7節でも自慢の堅守ぶりを発揮してウノゼロで勝利。今季五度目のクリーンシート劇を演じた。
ただ、堅守ぶりを誇る一方で、得点力に課題があるのも確かなところ。開幕戦こそ2ゴールを奪ったものの、その後は得点力不足を露呈しており、8試合で5ゴールという物足りない数字。決定力を欠いて勝ち切れない試合が続いている感は否めない。
札幌と対峙したリーグ前節でも前半から多くの決定機を作りながら、ここでもゴールを奪い切れず。終盤に退場者を出して数的不利になったところで失点を喫し、痛恨の敗戦となってしまった。
両チームともに守備の堅さには定評がある。1点が勝負を分ける緊張感のある試合になりそうだ。
[ 文:松本 隆志 ]
