松本と長野が激突する“信州ダービー”。今季は5月の天皇杯長野県予選決勝、明治安田J3第10節でともに長野が白星を挙げた。公式戦で長野が松本を下したのは15年ぶりで、長らく『KING OF 信州』を謳歌してきた松本の誇りは地に堕ちた。
5カ月ぶりに相まみえる今回。雪辱を期す松本の熱量は特筆に値する。オフ明けのミーティングではクラブが臥雲義尚・松本市長を招待。松本市と長野市をめぐる歴史的な経緯などについて説明してもらいながら、街の代表として戦うための激励を受けた。
霜田 正浩監督をはじめ、選手たちも“信州ダービー”に対する認識を改め、「松本のために」戦う意思を確認。前節で岩手に1-4と大敗した暗い影はもう、ただの一片たりとも残っていない。
対する長野も監督交代以降、攻守ともに前へのアグレッシブさを前面に押し出し、再構築への道を着実に歩む。背番号10・山中 麗央ら地元出身の面々が存在感を高めており、この大一番も最大級の気迫で乗り込んでくるだろう。
松本は9位、長野は15位。リーグ全体から見れば、J3中位以下のささやかな争いかもしれない。だが当事者にとっては、沽券に関わる不退転の一戦。J2昇格への可能性をつなぎ止めるためにも、そして街の誇りを示すためにも、勝利だけが求められる。
[ 文:大枝 令 ]
