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【J2:第25節 鳥栖 vs 仙台 レポート】前途多難な仙台。鳥栖は5試合ぶりに得点を決める(04.08.02)

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8月1日(日) 2004 J2リーグ戦 第25節
鳥栖 1 - 2 仙台 (19:04/鳥栖/2,536人)
得点者:'8 大柴克友(仙台)、'69 田代有三(鳥栖)、'82 萬代宏樹(仙台)
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 今シーズン、仙台の試合を取材したのは何度目になるだろうか?

 1年でのJ1への復帰を期待された仙台は、シーズン当初から厳しいプレッシャーにさらされてきた。だからこそ、負けが先行したシーズン序盤の苦しみは大きかった。また、スタートダッシュに失敗したことによる序盤戦での低迷は、精神的負担としてチームに大きくのしかかった。そうした状況が積み重なったシーズンではあったが、それにしても勝敗に関係なく試合後の監督会見に出席するたびに遭遇するベルデニック監督の苦虫を噛みつぶしたような渋い表情は、いつも印象的だった。もちろんこんな書き出しをするくらいだから、2−1で勝利したこの試合後の会見でも、ベルデニック監督の表情は渋かった。

 この試合後に見せたベルデニック監督の厳しい表情の理由はいくつかある。ゲームの主導権を握り、8分という早い時間帯に先制した前半に、さらに得点を畳みかけられなかったこと。その結果、鳥栖の反撃を受けて同点ゴールを決められてしまったこと。それによって危うく勝ち点3を取り損ねてしまいかけたこと、などである。

 試合終了間際に決まった決勝点によって結果的に勝ち点3を確保してはいるのだが、ベルデニック監督は危うい試合展開をどうしても許容できなかったのだろう。「勝てば、それでよし」としないところに監督のサッカーに対するポリシーがにじみ出ていた。そしてその観点から試合を振り返れば、確かにベルデニック監督は会見でこんな言葉を残していた。

「得点がいいプレーの結果として生まれたものであれば、2倍の満足感があるだろうと思います。ただ、今日は一つの喜びしかないと言うことです。それは3ポイントを取ったということです」

 つまりこの言葉には、J2で勝ち点3を取ったことに対する安堵を覆い隠すほどの危機感が内包されているのである。もちろんそれは、監督の目指すサッカーのレベルの高さを示唆していることになる。

 話がそれて申し訳ないが、たとえばJ2を俯瞰してみるとする。そうすると、そこには圧倒的なリアリティーが横たわっている。

「いかにして勝ち点3を奪い取るのか」

 その命題を達成するために、各チームの戦術は先鋭化していると言ってもいい。つまり守備を優先させる負けないサッカーである。そうしたサッカーが主流になる中、ベルデニック監督は勝ち点3を奪うことにのみ満足しないという意味で特徴的な立場に立つと言えるだろう。そうした状況ではあるが、それでも徐々に監督のサッカーは浸透してきているように見える。

 決勝ゴールをアシストした梁勇基が振り返る。

「監督の要求するプレーがだんだんわかってきました」

 この言葉が示すのは、ベルデニック監督の考える100%の姿に到達しつつある仙台の選手たちの姿だ。そしてそのイメージをチーム全体が共有した時のサッカーはすばらしいものなのだろう。その姿が頭にあるからこそ、ベルデニック監督は勝利した試合後にも満足した表情を見せないのだと想像できる。

 仙台の詰めの甘さが鳥栖につけいる隙を与えてしまった試合だったが、この試合に象徴されるように、結果と同時に内容を求める仙台の今のスタイルがどこまで行けるのか、一抹の不安が頭をよぎるのも事実だ。サッカーの完成度ではまだ比較の対象になっているとは言えないが、去年の川崎Fが同じような理想を掲げていたことを思い出す。

 不調の鳥栖を相手に勝ち点3を手にした仙台だが、少なくともこの試合を見る限り、J1昇格を目指す戦いの前途は多難だと言えそうだ。

 最後に付け足しのようで恐縮だが、鳥栖の5試合ぶりの得点は強化指定選手として鳥栖でプレーする福岡大学在学中の田代有三が決めたものだった。彼の持つ能力は高いものがあり、8月末までの指定期間中にコンビネーションを高めていけば、鳥栖の救世主にもなりうる存在だと言える。ただしこの試合では、得点場面以外ではそれほど目立つプレーができていたわけではなかった。期待値が高い分、プレッシャーにもなっているのだろうが今後を見守りたい。

以上

2004.8.2 Reported by 江藤高志




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