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【第87回天皇杯5回戦 広島 vs 磐田】レポート:J2降格の屈辱をはらすべく、広島が全員サッカーで勝利。導いたのは、森崎浩司の直接FK2発と佐藤寿人の献身。(07.12.15)

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12月15日(土) 第87回天皇杯5回戦
広島 2 - 0 磐田 (13:05/広島ビ/3,177人)
得点者:18' 森崎浩司(広島)、51' 森崎浩司(広島)

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「こういうプレーを前半から続けていたら、肝心なところで力が出せなくなるかもしれない。だけど、チームとして闘うには、やらなきゃいけないことなんです」
 試合終了後、佐藤寿人は久しぶりの笑顔を見せて、そう語った。「こういうプレー」とは、前からの守備。相手の3バックに対してプレスをかけ、中盤までおりてきて相手にプレスをかけたり、サポートしたり。
 もちろん、彼が走るのは守備のためだけではない。味方がボールを持った瞬間、鋭く裏を狙い、スペースに走る。攻守両面で佐藤は止まることがなかった。ダッシュ&ストップを何度も何度も繰り返し、攻めに守りに走り続ければ、確かに体力はなくなってしまう。実際、後半は運動量が落ちた。しかしそれでも、乾いた雑巾からさらに水を絞るかのようにして、彼は走った。

「MVPは寿人さんです」と槙野智章は言う。「前からしつこく、あきらめずに追ってくれたから」と下田崇は賞賛する。佐藤寿人に引っ張られて平繁龍一も走り、2トップが全力でボールを追ったことで、広島の守備は機能した。パス回しに上手さを見せた磐田だったが、広島の前線からの守備によって速攻を封じられ、ブロックも崩せない。高い位置でボールを奪った広島は、ボランチ・森崎和幸を軸とした組織的なカウンターで一気に裏をとる。このため、磐田の最終ラインがどうしても高くあがれない。

 ただ、広島もまた、いい形でチャンスをつくりながらも、流れの中でゴールを奪えなかった。リーグ戦では、チャンスがゴールにならないと選手全体が苛立ち、結果として広島は自滅していた。しかしこの試合は、そうはならなかった。それは、今季ただの一度も記録できなかった直接FKからのゴールが生まれたからだ。
「凄かった」と川口能活が語ったそのFKシュートを放ったのは、森崎浩司だった。シーズン中であれば、直接FKを蹴るのは、ほとんどがウェズレイだったが、彼はもう帰国している。前日練習終了後、30分にわたって黙々とFK練習を続けていた森崎浩は「明日は(FKを)決めたい」と語っていた。それは、自分自身の存在証明。そして、J2降格で失ったチームとしての誇りを生み出すためにも、今季はカップ戦を含めチームとして一度もなかった「FKゴール」を記録したかった。

 18分、平繁が素晴らしく早い判断を見せ、中盤のスペースにおりてボールを引き出す。そこから佐藤とのワンツーで突破を図り、ファウルを奪った。この2トップの連動が、伏線だった。
 ボールをセットしたのは森崎浩。イメージはできていた。考えてみれば、彼が初めて直接FKを決めた2001年の福岡戦や、J1復帰を決めた2003年の鳥栖戦でのFK弾も、この時とほぼ同じ角度・距離だった。左足を振り抜いたシュートはイメージどおりの曲線を描き、壁の上を超えてサイドネットに突き刺さる。スピードもコースも文句なし。川口は一歩も動けなかった。
 2点目も、森崎浩の直接FKゴール。この伏線をつくったのも佐藤の素晴らしいインターセプトだった。角度は右45度。中に合わせる選択肢もあった。だが、自信を持っていた森崎浩は、敢然とニアサイドを狙って振り抜いた。1点目よりもさらにスピードを増したボールは、うなりをあげてゴールネットに突き刺さった。1試合2点の直接FK弾は、もちろん森崎浩自身、初めての経験である。

 攻守が連動し、得点を重ねる。ルーズボールを拾い、相手の自由を奪い、仲間のために走りまくる。いつのまにか見失っていた自分たちのサッカーを、この日の広島は交代した選手を含めて全員がやり抜いた。結果として、磐田の決定機は36分に放った上田康太のFKと、79分に途中出場の中山雅史が放ったバー直撃のシュート。ほぼ完璧な形で、広島は磐田を下した。ヒーローは、森崎浩司。しかし、その広島を攻守にわたって引っ張ったのは、なんと言っても佐藤寿人だった。今日の彼は、まぎれもなくキャプテンだった。
 磐田は自分たちのサッカーを表現できず、これがシーズン最終戦となった。「安定した戦いができなかった」と内山監督が語るように、この試合でもいい時間帯を継続できない。「一つ一つ整理して飛躍・成長できるようにしていかなければ」という中山の言葉を、噛み締めないといけないだろう。

「こういう戦いをしていたら、広島はJ2に落ちていなかったと思う」
 この川口能活の言葉を胸に刻んで、戦いぬくこと。それこそ、方向を見失いかけた広島の羅針盤となるはず。
「国立しか、考えてない」。
 今日のキャプテン・佐藤寿人の言葉は、広島の選手全員の想いだ。

以上

2007.12.15 Reported by 中野和也
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