今年は、いろんな意味でひどい目にあっている。例えばこういうことだ。
・iPhoneを新幹線の中に忘れた。
・出張中にパンツのお尻が破れた。
・docomoの携帯が充電できなくなった。
・仕事にいつも使っているキャリーバッグが壊れた。
・買い物に来たのに財布を忘れた。
・取材申請を出しているのに、取材者リストに名前がなかった。
・痛風の症状が出て、左足に激痛が走った。なのに、誰も同情してくれない（涙）
・試合中、パソコンが固まり、まったく動作できなくなった。
・そんな時のためにと持ってきたタブレットまで固まった。
・ＡＣＬで訪れた中国で、試合中、まったく通信ができなくなった。
・ウズベキスタンで空港到着から空港を出るまで約３時間かかった。

まあ、人生を歩いていると、防ぎようのないトラブルに巻き込まれることもあるし、ついていない時もある。人は、不運に見舞われる回数を、多く感じてしまうものだ。四大悲劇をはじめ、シェイクスピアの作品が今も好まれるのは、悲しくて辛い出来事の方が、人間は共感しやすいからなのかも。トータルすれば幸運と不運の量はイコールだとする哲学者もいるが、幸運に見舞われたことなど人はすぐに忘れてしまう。

実は僕は、こういう「くじ」関係は、決して結果は悪くないはずなのだ。最初に買ったサマージャンボ宝くじで2等の組違い（今は存在しない）が当たり（８万円だったかな）、食器洗い乾燥機を買ったことがある。昨年は、息子がBIGを買いに行くというので、「オレのも買ってきて」とお金を渡したところ、４等が当たったり。

だからきっと、ここ最近の不運は、totoの爆発の前兆だと信じることにした。そういえば３週間前、夢も見たのである。totoではないのだがBIGで６億円が当たった夢だ。銀行の営業マンがやってきて盛んに「ぜひ預金を」と言われていた。証券会社の営業マンが「こんな金融商品があるんです」と提案すると、女房が「それよりもゴールドの方がいいんじゃない？」とか言ったりして。サンフレッチェの試合看板やミックスゾーンのスポンサーボードには、僕が編集している雑誌の名前があり、他の記者からは「もう働かなくていいでしょ」と言われているのだが「いや、自分のライフワークだからね」と笑っていたりする。繰り返すが、もちろん夢である。

６億あれば、今住んでいるマンションのローンを全て払っても、余裕。もう一つ、マンションが広島の中心街に買える。クルマも買い替えることができるし、20年使っているエアコンも買い替えられる。女房を旧婚旅行に連れていってやることもできるわけだ。
そんなことを女房に話した。
「えー、本当？」
「だから、行けそうな気がするんだ」
「やったー！」
「どこにマンション買う？胡町（広島が全国に誇る繁華街・流川のすぐ近く）とか、ちょっと中に入れば静かだし、デパートにも歩いていけるよ」
「ピカチュウの仲間たちも、たくさんそろえられるね（女房はピカチュウが大好きなのです）」
「いやあ、もうローンとか全部払っても、山ほど余るよ、お金が」
「買ったの？」
「うん」
「楽しみ楽しみ（笑）」

……結果は、惨敗。半分も当たらず、かすりもしなかった。totoもダメ。女房も、あんまり僕が夢の話を語ったので釣られてその気になっていたのか、結果が出た時の落胆ぶりは僕以上。しばらくは、気がつけば「あーあ」とため息ばかり。
ただ、試合結果が出る時のドキドキやハラハラは、本気で当たると信じていればいるほど、胸に迫る。その興奮、そのスリルは、本気で予想し、期待し、そして買っているからこそ味わえる。

今回のtotoもまた、非常に難しい。神戸対Ｇ大阪とか、どういう観点からでも見ることができる。上位を争う力を持つチーム同士の対戦（たとえば柏対横浜FM）や厳しい状況同士の闘い（たとえば鳥栖対大分）、さらに監督が交代した磐田の試合をどう読むか。難しいが、逆に言えば、だからこそ当たった時のカタルシスは想像しただけでも胸アツだ。
というわけで、今回もtotoとBIG、両方とも買うつもりです。夢を見るのは自由。そしてその夢は、買わないと手に出来ない。

以上

2013.05.05 Reported by 中野和也